小笠原忠幹

小笠原忠幹：二つの藩を背負った大名の生涯

小笠原忠幹（おがさわら ただよし）は、江戸時代後期の激動の時代を生きた大名です。播磨国安志藩の第6代藩主として政務を執り始め、後に豊前国小倉藩の第9代藩主となりました。小笠原家宗家10代当主でもあります。安志藩主時代には貞幹（さだよし）と名乗っていました。

安志藩主として

天保10年（1839年）、父である安志藩第5代藩主・小笠原長武の死去に伴い、家督を相続しました。天保13年（1842年）には、第12代将軍・徳川家慶に拝謁し、同年11月には従五位下・兵部少輔に叙任。後に信濃守に改めます。安志藩主として、藩政に尽力しました。

小倉藩へ

万延元年（1860年）11月、小倉藩主・小笠原忠嘉が亡くなったため、その末期養子として小倉藩主の座を継承します。これに伴い、長男の貞孚が安志藩主となりました。文久元年（1861年）には従四位下に昇進し、大膳大夫、後に左京大夫へと改めます。文久3年（1863年）には、14代将軍・徳川家茂が上洛した際の警護役を務めました。

幕末の動乱と死

元治元年（1864年）には侍従に任官。しかし、第二次長州征伐中の慶応元年（1865年）、39歳という若さでこの世を去りました。跡を継いだのは次男の忠忱でしたが、幼少であったため、死は秘匿されました。小倉城を自焼し、藩庁を田川郡香春へ移転後の慶応3年（1867年）に、ようやく公表されたのです。

系譜

父：小笠原長武（1809年 - 1839年）
母：不詳
養父：小笠原忠嘉（1839年 - 1860年）
正室：小笠原忠固の養女 - 小笠原忠徴の娘
継室：柳沢里顕の娘

子女
長男：小笠原貞孚（1850年 - 1905年）
次男：小笠原忠忱（1862年 - 1897年）
長女：きん - 松平忠興継室
次女：登代子 - 徳川篤守夫人

小笠原忠幹は、二つの藩の藩主として、幕末の激動期を駆け抜けました。若くして亡くなったものの、その足跡は歴史に深く刻まれています。

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