小笠原長円

小笠原長円（おがさわら ながのぶ）は、江戸時代前期から中期にかけての武士であり、豊前国中津藩の第4代藩主です。忠脩系小笠原家の4代目にあたります。

延宝4年（1676年）に、初代藩主・小笠原長次の長男である長章の五男として生まれました。元禄11年（1698年）7月28日、兄で3代藩主であった長胤が、悪政と乱行を理由に改易されるという事態が発生します。しかし、小笠原氏は譜代大名としての名門であり、藩祖である小笠原秀政をはじめとする祖先の功績が評価され、長円が8万石から4万石に所領を削減された上で家督を継承することが許されました。

しかしながら、長円もまた、兄や先々代の長勝と同様に、藩主としての資質に欠ける人物であったとされています。藩財政が困窮しているにもかかわらず、領民に重税を課し、さらには家臣の知行を半減させるなど、その政策は領民や家臣からの不満を招きました。元禄11年（1698年）12月25日には、従五位下・信濃守に叙位・任官されています。宝永6年（1709年）頃から病気を理由に藩政を顧みなくなり、療養のためと称して豪勢な別邸を建設し、そこで女性や酒に溺れる日々を送ったと伝えられています。これにより、藩政はますます混乱を極めることとなりました。

正徳3年（1713年）10月22日に死去。享年38歳。跡は長男の長邕（ながたけ）が継ぎました。

系譜
父：小笠原長章（1637年 - 1675年）
母：不詳
正室：稲葉正通の娘
生母不明の子女
長男：小笠原長邕（1711年 - 1716年）
次男：小笠原長興（1712年 - 1786年）
* 女子：小笠原長興養女 - 小笠原長逵正室

小笠原長円は、藩主としての責任を十分に果たすことができず、藩政を悪化させた人物として歴史に名を残しています。

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