少康 (夏)

少康（しょうこう）：夏朝の第6代帝

少康は、中国の歴史において重要な位置を占める夏朝の第6代の皇帝です。彼の父、帝相は寒浞によって命を奪われ、その血縁の特異な運命は、彼の人生に大きな影響を与えました。少康の母、后緡は有仍氏の出身であり、夫が暗殺された際、妊娠したまま故郷である有仍国へ逃避しました。この逃避行で少康は誕生し、彼の幼少期は新たな権力を求める暗雲に包まれたものでした。

当初、寒浞とその息子である澆と豷が政治の実権を握っていましたが、少康は意を決して反乱を起こし、彼らを打倒しました。この戦いによって、夏王朝の皇族が再び権力を回復できたことは、少康のリーダーシップの証と言えるでしょう。歴史書『竹書紀年』によると、少康元年（丙午の年）には諸侯の虞公が訪問し、二年目には方夷が来訪した記録があります。また、少康の治世の18年目には、都を原に移転したとされています。

さらに、少康の子孫についても注目すべき点が多くあります。彼には、7代目の夏王となった予や、鄫に封じられた曲烈がいたのはもちろんですが、特に子の無余に関する伝説が重要です。無余は、越王勾践の祖先とされ、彼の存在は中国の歴史と文化に深く刻まれることになりました。

越・倭との関係

少康の庶子である無余は、会稽に封ぜられた後、文身や断髪を行ったとされています。この行為は、越民族の起源として位置づけられています。『史記』や『漢書』の記述によれば、無余がこれらの習俗を行ったのは、蛟竜と呼ばれる危害から逃れるためだとされています。この彼の行動は、後の越文化の形成に影響を及ぼし、越の人々が持つ特有の習慣として根を下ろすことになりました。

また、倭人の文化に関する記録も興味深いものです。『翰苑』や『魏志倭人伝』では、倭人も入れ墨を行っており、その目的が大魚や水鳥からの危害を防ぐためだと記されています。この慣習は、少康の庶子無余の行動に由来していると考えられており、中国文化と日本文化との交流がどのように発展してきたかを示しています。

まとめ

少康の治世は、彼の親のドラマや政治的背景に彩られたものであり、彼の功績は後の世代に影響を与え続けました。無余の物語は、越や倭との関係が深いことを証明する重要なつながりでもあります。少康は単なる夏朝の帝王でなく、彼の行動やその影響力は広範囲に及んだことが、歴史を通じて理解されるべきです。

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