尚昌

尚昌（しょう しょう）

尚昌は、1888年（明治21年）9月17日に沖縄県首里で、侯爵尚典の長男として誕生しました。彼は、琉球王国最後の国王である尚泰を祖父に持ち、名門の血筋を受け継いでいます。1896年（明治29年）には、東京へ移り住み、学習院初等科に入学しました。その後、旧制学習院高等科を中退し、1911年（明治44年）には父の勧めにより、イギリスの名門オックスフォード大学へ留学しました。この留学には、沖縄県出身で大蔵官僚の神山政良が随行員として同行しました。

1915年（大正4年）に帰国した尚昌は、宮内省に入省し、式部官として宮中の儀式や典礼に携わりました。1918年（大正7年）には長男が誕生し、その子の名前「尚裕」は、沖縄出身の学者である東恩納寛惇によって名付けられました。1920年（大正9年）10月20日には、父である尚典の薨去に伴い、侯爵の爵位を継承し、同日、貴族院侯爵議員に就任しました。

しかし、1923年（大正12年）6月、中国旅行中に盲腸炎を発症し、帰国後の東京でその生涯を閉じました。享年34歳という若さでした。彼の墓は、東京都台東区上野にあります。

栄典

尚昌は、その功績と家柄により、以下の栄典を受けています。

1908年（明治41年）9月30日 - 従五位
1914年（大正3年）10月20日 - 正五位
1921年（大正10年）11月1日 - 従四位
1923年（大正12年）6月19日 - 正四位

家族

尚昌の家族構成は以下の通りです。

祖父：尚泰（琉球王国最後の国王）
父：尚典（侯爵）
母：祥子
妻：百子（小笠原忠忱の次女、1896年（明治29年）1月3日 - 1950年（昭和25年）2月11日）
子女：
長女：文子（元彦根市長井伊直愛に嫁ぐ）
長男：裕
次女：清子（伯爵酒井忠博に嫁ぐ）



尚昌の生涯は、華族としての責務を果たす一方で、国際的な視野を持ち、新しい時代を切り開こうとした情熱と、家族を深く愛する心に満ちていました。彼の足跡は、日本の近代史において重要な一章を刻んでいます。

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