尚典

尚典（しょう てん）

尚典は、1864年9月2日に琉球王国最後の国王である尚泰王の長男として生まれました。幼少の頃から世子として育てられましたが、琉球王国は日本の明治政府によって琉球処分を受け、その歴史に幕を閉じます。この激動の時代に、尚典は翻弄されながらも、新しい時代を生きることになります。

生涯

琉球処分後、尚典は父である尚泰王とともに東京へ移住することになります。東京では、華族として侯爵を授けられ、貴族院議員にも選出されるなど、日本の政治家として活動しました。

1901年には、父である尚泰王が亡くなったため、第二尚氏の第20代当主となりました。琉球王国の世子としての運命から一転、日本の華族としての新しい人生を歩むことになったのです。

尚典は、琉球の伝統と文化を尊重しながらも、日本の社会に適応し、その中で自らの役割を果たそうと努めました。しかし、琉球王国が消滅したことによる心の葛藤は、計り知れないものがあったでしょう。

1920年9月20日、尚典は首里邸にて生涯を閉じました。その遺体は、尚家歴代の墓所である玉陵に納骨され、静かに眠っています。

年譜

1864年（同治3年）9月2日 - 尚泰王の世子として誕生
1874年（同治13年）9月22日 - 久米具志川間切を加増される
1878年（光緒4年）
6月19日 - 元服
9月20日 - 金武按司朝穏の娘・真如戸金と婚姻
1879年（光緒5年、明治12年）
琉球処分で東京に移住するよう命ぜられ、上京
6月17日 - 従五位に叙される
1888年（明治21年）9月11日 - 長男・尚昌誕生
1901年（明治34年）
8月30日 - 父・尚泰の死去により、侯爵を襲爵
8月31日 - 貴族院侯爵議員に就任
1920年（大正9年）9月20日 - 首里邸において死去

栄典

1902年（明治35年）12月20日 - 従三位
1906年（明治39年）4月1日 - 勲四等旭日小綬章
1909年（明治42年）12月27日 - 正三位
1915年（大正4年）1[[1月10日]] - 大礼記念章
1918年（大正7年）1月10日 - 従二位

家族

父：尚泰
母：佐敷按司加那志
妻：祥子（野嵩按司加那志、金武御殿13世・金武朝穏の長女、童名・真嘉戸金、1865年（同治3年）7月16日生）

子女

長女：延子 - 今帰仁御殿3世・今帰仁朝英に嫁ぐ
長男：昌
次男：景（1889年（明治22年）9月生）
三男：旦（1890年（明治23年）11月28日生）
四男：暢（1899年（明治32年）2月生）

尚典は、激動の時代を生き抜いた人物として、その名前は歴史に刻まれています。琉球王国の世子としての運命、そして日本の政治家としての新しい人生、その両方を経験した彼の生涯は、多くの人々に何かを語りかけているのではないでしょうか。

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