尸部

尸部（しぶ）について

尸部（しぶ）は、漢字を部首によって分類したグループの一つです。康熙字典における214部首では44番目に位置し、3画の部首としては15番目に分類されます。

概要

尸部には、漢字の構成要素として「尸」の字を持つものが分類されています。「尸」という字自体は、人の形を象った象形文字であり、人が屈んでいる様子を表しています。そのため、「尾」「屎」「尿」といった、人間の身体や排泄に関する漢字にもこの部首が見られます。

また、尸部には「履」「屐」など、履物や布地に関する漢字も含まれています。これらは元々「履」の音符である「眉」に由来するとされています。さらに、「屋」「層」といった家屋や屋根に関連する漢字もこの部首に分類されますが、これらは帳の象形に由来します。

興味深いことに、「履」の字やその省略形である「尸彳」を意符とする漢字（例えば、屐、屩、屨など）は、かつて『説文解字』においては「履部」という独立した部首に分類されていました。

部首の通称

尸部は、文化圏によって異なる通称で呼ばれています。

日本: しかばね、かばねだれ、かばね、しかばねかんむり
中国: 尸字頭
韓国: 주검시부（jugeom si bu、しかばねの尸部）
英米: Radical corpse

部首字

尸

音韻

広韻: 式脂切、脂韻
詩韻: 支韻、平声
三十六字母: 審母三等
日本語:
音: シ（漢音・呉音）
訓: しかばね
中国語:
ピンイン: shī
注音: ㄕ
ウェード式: shih 1
朝鮮語:
訓音: 주검（jugeom、しかばね）、지붕（jibung、やね）
音: 시(si)

例字

尸部の代表的な漢字には、以下のようなものがあります。

尸
局
尾
屆（届）
居
屈
屋
展
屬（属）
層
屍
* 屭

注意点

一部の漢字は、字形が似ていても異なる部首に分類されることがあります。例えば、「孱」は子部に、「犀」は牛部に分類されます。

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