尻屋埼灯台

尻屋埼灯台

尻屋埼灯台は、青森県下北郡東通村の尻屋崎の突端に位置する灯台です。その白亜の美しい姿は、国の重要文化財に指定され、日本の灯台50選にも選ばれています。この灯台は、「日本の灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントンによって設計されました。

特徴

尻屋埼灯台は、二重のレンガ壁による複層構造が特徴です。周辺には寒立馬（かんだちめ）と呼ばれる馬が放牧されており、灯台と馬、そして雄大な自然が織りなす風景は、訪れる人々を魅了します。灯台の内部は一般公開されており（期間限定）、らせん階段を上って頂上まで登ることができます。頂上からは、太平洋や津軽海峡を一望できる絶景が広がります。

歴史

1876年（明治9年）：東北地方初の灯台として点灯。
1877年（明治10年）：日本初の霧鐘が設置。
1879年（明治12年）：日本初の霧笛が設置。12月20日は霧笛記念日となる。
1883年（明治16年）：隕石落下によりガラスが損傷。
1901年（明治34年）：日本初の自家発電による電気式灯台となる。
1945年（昭和20年）：米軍の攻撃により破壊され、運用不能となる。
1946年（昭和21年）：破壊された灯台が光を放つという怪現象が発生（まぼろしの灯台）。
1949年（昭和24年）：灯台が復旧し、本灯が再点灯。
2006年（平成18年）：土木学会選奨土木遺産に選出。
2017年（平成29年）：国の登録有形文化財に登録。
2022年（令和4年）：国の重要文化財に指定。

まぼろしの灯台

第二次世界大戦中に米軍の攻撃で破壊されたはずの灯台が、戦後間もない1946年に光を放つという怪現象が起こりました。この光によって遭難を免れた漁船もあったとされ、殉職した灯台職員の霊ではないかという噂が広まりました。この現象は、仮の灯りを点灯したことで収まりましたが、現在も灯台には銃撃の跡が残っています。

施設

無線方位信号所（2007年廃止）
ディファレンシャルGPS局（2019年廃止）
船舶気象通報施設（灯台放送）

アクセス

旧むつバスターミナルからデマンドタクシーで約75分
むつ市中心部から青森県道6号、東通村道を経由

その他

尻屋崎沖は海洋交通の難所であり、遭難事故が多発している。
日本で初めて霧信号所が設置された場所である。
* かつて使用されていた霧鐘は、犬吠埼灯台の敷地内に保存されている。

尻屋埼灯台は、その歴史的価値と美しい景観から、多くの人々を魅了し続けています。訪れる際には、灯台の歴史に触れ、周辺の自然を満喫してください。

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