下北郡

下北郡（しもきたぐん）

下北郡は、青森県に位置する本州最北の郡です。その歴史は古く、明治時代初期の郡区町村編制法によって誕生しました。現在の郡域は、大間町、東通村、風間浦村、佐井村の1町3村で構成されています。郡の人口は、推計で約12,459人、面積は551.92km²、人口密度は1km²あたり約22.6人（2024年11月1日時点）となっています。

歴史

下北郡は、藩政時代には盛岡藩南部氏の支配下にあり、田名部代官所が置かれていました。明治維新後、戊辰戦争の影響で盛岡藩が領地を没収され、その後、弘前藩、黒羽藩、九戸県、八戸県、三戸県と管轄が変遷しました。最終的に斗南藩に移管され、廃藩置県を経て青森県に編入されました。

郡発足までの沿革

明治初年、下北郡の地域には34の村が存在しました。具体的には、田名部村、安渡村、大平村、田屋村、砂子又村、奥内村、中野沢村、大利村、目名村、蒲野沢村、野牛村、岩屋村、尻屋村、猿ヶ森村、尻労村、小田野沢村、白糠村、関根村、正津川村、大畑村、下風呂村、易国間村、蛇浦村、大間村、奥戸村、佐井村、長後村、城ヶ沢村、川内村、檜川村、宿野部村、蠣崎村、小沢村、脇野沢村がありました。これらの村々は、明治維新後の混乱期を経て、いくつかの変遷をたどります。

1868年（明治元年）12月7日、盛岡藩が戊辰戦争の処分により領地を没収されます。これにより、郡内の領地は弘前藩の取締地となりました。しかし、翌年2月8日には旧盛岡藩領が弘前藩の管轄に反対する一揆が発生し、黒羽藩の取締地に変更され、北奥県と通称されるようになりました。その後、北奥県は九戸県、八戸県（第一次）、三戸県と名称が変わり、最終的に旧会津藩が転封された斗南藩に移管されました。

1871年（明治4年）7月14日、廃藩置県により斗南県の管轄となり、同年11月2日には青森県の管轄となりました。

郡発足以降の沿革

1878年（明治11年）10月30日、郡区町村編制法が青森県で施行され、北郡の一部であった田名部村など33村の区域に下北郡が発足しました。郡役所は田名部村に設置されました。同時期に、大湊村が分割されて安渡村と大平村となりましたが、翌年には安渡村が大湊村に改称されました。

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行により、以下の9つの村が誕生しました。

田名部村: 田名部村、関根村、奥内村、中野沢村
東通村: 大利村、目名村、蒲野沢村、野牛村、岩屋村、尻屋村、尻労村、猿ヶ森村、小田野沢村、白糠村、砂子又村、田屋村
風間浦村: 易国間村、下風呂村、蛇浦村
大湊村: 大湊村、大平村、城ヶ沢村
大畑村: 大畑村、正津川村
大奥村: 奥戸村、大間村
佐井村: 佐井村、長後村
脇野沢村: 脇野沢村、小沢村
川内村: 川内村、檜川村、宿野部村、蠣崎村

その後、1891年（明治24年）4月1日に郡制が施行されました。1899年（明治32年）1月1日には田名部村が町制を施行し田名部町となりました。1917年（大正6年）10月31日には川内村が町制を施行して川内町となり、1928年（昭和3年）11月10日には大湊村が町制を施行して大湊町、1934年（昭和9年）5月1日には大畑村が町制を施行して大畑町となりました。1942年（昭和17年）11月3日には大奥村が町制施行・改称して大間町となりました。

1959年（昭和34年）9月1日、田名部町と大湊町が合併して大湊田名部市（現在のむつ市）となり、郡から離脱しました。2005年（平成17年）3月14日には、川内町、大畑町、脇野沢村がむつ市に編入されました。これにより、下北郡は現在の1町3村という形になりました。

行政

郡長は、かつては郡の行政を統括する重要な役割を担っていましたが、郡制廃止後は、その役割はなくなりました。

脚注

人口は2024年11月1日時点の推計人口に基づいています。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 2 青森県、角川書店、1985年12月1日。ISBN 4040010205。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

南部地方
上北[[郡]]
* 下北弁

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