尾上菊五郎 (7代目)

七代目 尾上 菊五郎について

七代目尾上菊五郎（しちだいめ おのえ きくごろう）は、1942年10月2日に生まれた日本の著名な歌舞伎役者で、歌舞伎名跡『尾上菊五郎』の現当代です。彼は音羽屋の屋号を持ち、定紋は重ね扇に抱き柏、替紋は四つ輪となっています。菊五郎は、日本芸術院の会員および重要無形文化財『歌舞伎立役』の保持者であり、人間国宝としても名を馳せています。彼の本名は寺嶋秀幸（てらじま ひでゆき）です。

幼少期からの歩み

東京都に生まれた菊五郎は、歌舞伎界における芸人一家で育ちました。彼は2歳上の姉と弟がいる中で育ち、1948年には新橋演舞場で初舞台を踏み、五代目尾上丑之助を襲名しました。菊五郎はその後、日本の歌舞伎界において頭角を現していきます。特に、再び人気が沸騰した三之助の一人として知られるようになりました。

主演と貢献

1965年に歌舞伎座で四代目尾上菊之助を襲名し、続いて大河ドラマ『源義経』にて最年少主演を果たしました。この作品での藤純子との共演は、後に結婚するきっかけにもなりました。菊五郎は当初女形中心でしたが、年齢と共に男役に移行し、特に歌舞伎立役としての評価が高まりました。彼は世話物を得意とし、江戸っ子の小悪党を演じさせると右に出る者がいないと言われるほどの腕前を持っています。

現代歌舞伎の守り手

自身の劇団、尾上菊五郎劇団を主宰し、江戸歌舞伎の伝承に尽力しています。彼は、若手役者たちに対して積極的に指導し、特に孫の七代目尾上丑之助の教育にも力を注いでいます。彼の努力により、歌舞伎の文化は次世代へとつながっています。2024年には、長男の五代目尾上菊之助による八代目尾上菊五郎襲名興行が予定されており、二人体制の名跡管理は歌舞伎史上初の試みです。

業績と賞賛

彼の作品は多岐にわたり、数々の賞を受賞しています。1985年には芸術選奨文部大臣賞、1987年には日本芸術院賞、そして2021年には文化勲章を受けるなど、その名声は高まる一方です。さらに、彼は日本俳優協会においてもその地位を確立しており、理事長や会長として数多くの役職を歴任しています。

様々なメディアでの活躍

歌舞伎の舞台だけでなく、テレビドラマや映画でもその存在感を発揮してきました。大河ドラマ『源義経』を筆頭に、多数の作品に出演し、視聴者に強い印象を与える演技を披露しています。また、CMにも出演し、家庭の顔として親しまれています。彼の演技は多くの人々に愛され、歌舞伎の魅力を広める重要な役割を果たしています。

結論

七代目尾上菊五郎は、歌舞伎界の重鎮としてだけでなく、日本文化全体に大きな影響を与え続けています。その演技力、指導力、そして人間性は、多くの人々に感動を与え、今後も歌舞伎の未来を支える存在であり続けることでしょう。彼の志と情熱は、次世代へと引き継がれていくに違いありません。

もう一度検索