展訊通信

展訊通信有限公司（Spreadtrum Communications, Inc.）の概要

展訊通信有限公司は、中国の上海市に本社を構える半導体企業で、主に携帯電話向けの集積回路（チップセット）の設計と開発に注力しています。本企業はファブレスモデルを採用しており、自社で生産設備を持たず、外部の製造パートナーに生産を委託しています。展訊通信は、2011年度において世界のファブレス半導体企業の中で17位に入るなど、業界内での地位を確立しています。

グローバルな拠点

展訊通信は、中国の複数の都市に研究開発拠点を持ち、これは上海、北京、天津、蘇州、杭州、成都、厦門などです。さらに、アメリカ合衆国、フィンランド、インドにも研究開発施設を展開し、国際的な研究開発を進めています。また、深圳市には技術サポートセンターを設け、顧客に対するサポートを手厚くしています。大韓民国、台湾、メキシコにも現地サポートセンターを設置し、地域ごとのニーズに応える体制を整えています。

製品の多様性と技術

展訊通信が提供する製品は、GSM、GPRS、EDGE、TD-SCDMA、W-CDMA、HSPA+、TD-LTEといった様々な無線通信規格に対応しています。同社は、もともとはGSMのチップを主に製造していましたが、近年では中国において標準とされているTD-SCDMA 3G技術に重点を置いています。さらに、GSMとTD-SCDMAを組み合わせたベースバンドチップセットや、移動体テレビの標準規格であるTD-MBMSとDTMBに対応した半導体も手掛けています。このように、展訊通信は通信技術の進化に対応し、様々な製品群を広げています。

顧客基盤

同社の顧客には、中国移動通信があり、展訊の提供するTD-SCDMA端末は、その現行の端末の約50％を占めるとされています。顧客に対して高品質かつ競争力のある製品を提供することが、展訊通信のビジネスモデルの根底にあります。

財務状況と買収

展訊通信はかつてNASDAQに上場し、公開企業として活動していましたが、2013年に清華大学グループの紫光集団によって約17億8千万ドルで買収されました。この買収は清華控股を通じて行われ、2013年12月23日に正式に完了しました。以降、同社は非公開企業として新たな展開を進めています。

結論

展訊通信有限公司は、携帯電話および無線通信技術において重要な役割を果たしており、その製品は多様な通信規格に対応。国際的な研究開発拠点のネットワーク及び強力な顧客基盤を持ちながら、今後も成長が期待される企業です。

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