山下氏勝

山下氏勝（やました うじかつ）

山下氏勝は、1568年から1653年にかけて生きた、江戸時代初期の尾張藩士であり、幕府役人としても活躍した人物です。幼名は萬壽丸、半三郎といい、信濃守、豊後守、大和守を名乗りました。

生涯

永禄11年（1568年）4月6日、飛騨国大野郡白川郷の荻町城にて、山下時慶の子として誕生しました。当初は、血族である内ヶ島氏理に仕えていましたが、天正大地震によって内ヶ島氏が滅亡したため、その後は豊臣秀吉に仕えることとなります。小田原の役では先鋒を務め、文禄・慶長の役にも名護屋まで従軍しました。

秀吉の死後、徳川家康に仕え、近江国蒲生郡に所領を与えられました。慶長7年（1602年）には、徳川家康によって徳川義直の傅役に取り立てられ、その重責を担うこととなります。氏勝の妻は、義直の生母である相応院の妹にあたり、この縁が氏勝の重用につながったとされています。慶長12年（1607年）には、徳川家康に清洲越しの実施を進言し、実行に至りました。

氏勝は、戦国時代から江戸時代初期にかけて、武将として、また幕府役人として、その才能を発揮しました。特に、徳川義直の傅役として、その成長を支え、尾張藩の基礎を築く上で大きな役割を果たしました。

人物

山下氏勝は、武将としての勇猛さと、政治家としての高い見識を兼ね備えた人物であったと考えられています。豊臣秀吉や徳川家康といった時代の権力者に仕え、その信任を得ていたことからも、その能力の高さが伺えます。また、清洲越しの実行を推し進めたことからも、単なる武人ではなく、政治的な判断力にも優れていたことがわかります。

参考文献

愛知県姓氏歴史人物大辞典編纂委員会 編『角川日本姓氏歴史人名大辞典』 23（愛知県）、角川書店、1991年10月30日。ISBN 4-04-002230-0。
田中貢太郎 編『飛騨国大野郡史』 上巻、升重書店、1925年。NDLJP:1020720/459。
名古屋市役所 編『名古屋市史』 人物編第一、川瀬書店、1934年5月28日。NDLJP:1145342/134。
花見朔巳 編「山下大和守氏勝 －特に諸侯との関係に就いて－」『日本近世史説』日本学術普及会、1926年、215-230頁。NDLJP:1020232/119。

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