山下町 (鹿児島市)

鹿児島市山下町の詳細解説

鹿児島市山下町は、市の中心部に位置する町で、その歴史は江戸時代にまで遡ります。かつては鹿児島城を中心に武家屋敷が広がっていましたが、明治時代以降は官庁街として発展し、現在では鹿児島市の行政や文化の中核を担う地域となっています。

地理

山下町は、鹿児島市の中心部に位置し、北は長田町や小川町、南は金生町や東千石町、西は城山町、東は易居町や名山町に隣接しています。町の北側には、その名の由来となった城山がありますが、現在は城山町に一部が挟まれています。南側には天文館などの歓楽街が広がっています。

特に注目すべきは、町域西端の照国神社前交差点で、ここは九州の大動脈である国道3号、国道10号、そして国道225号と国道226号の終点となっています。また、西郷隆盛銅像前交差点は、国道58号の起点であり、国道224号の終点でもあります。国道58号の鹿児島市区間は「朝日通り」として知られています。

町の東端には鹿児島市役所が位置し、市の行政の中心となっています。かつては鹿児島県庁舎も置かれていましたが、1996年に鴨池新町に移転し、その跡地にはかごしま県民交流センターが建設されました。

町名の由来

山下町の町名は、その名の通り、町域の北側に位置する城山の麓に広がっていることに由来します。

歴史

成立から町村制施行まで

江戸時代、山下町は鹿児島城下士屋敷群の一部であり、鹿児島城の周辺には藩の役所や、宮之城島津家、垂水島津家などの大身層の屋敷が所在していました。岩崎には平士層の屋敷が集中し、岩崎郷中が置かれていました。

明治時代になると、鹿児島県庁が置かれ、県の行政の中心となりました。1879年には郡区町村編制法により「山下町」として正式に成立しました。

町村制施行以降

1889年、市制が施行され、鹿児島市が誕生しました。この時、山下町は鹿児島市の町となり、県の行政の中心としての役割に加えて、鹿児島市の中心としての役割も担うようになりました。1892年には、現在の鹿児島市立美術館の位置に鹿児島市役所が移転し、その後、1937年に現在地に移転しています。

1965年には、住居表示実施に伴い、山下町の一部が城山町、照国町として分割され、一部区域が小川町に編入されるなどの再編が行われました。同時に、山下町の全域で住居表示が実施されました。

1996年には、長らく町域内にあった鹿児島県庁舎が鴨池新町に移転し、2003年にはその跡地に、かごしま県民交流センターが設立されました。

文化財

山下町には、多くの歴史的な建造物が残っており、その一部は国の登録有形文化財に指定されています。

鹿児島市庁舎本館: 大蔵省営繕管財局の設計による府県庁舎スタイルで、1998年に登録されました。
鹿児島市中央公民館: 昭和天皇の成婚記念事業として建設された公会堂で、2005年に登録されました。
県政記念館（旧鹿児島県庁舎本館）: ネオ・ルネサンス様式の建物で、2008年に登録されました。
旧鹿児島県庁舎正面門: 旧県庁の門柱で、2008年に登録されました。
旧鹿児島県立尋常中学校門: 洋風の石造りの門で、2008年に登録されました。
南日本銀行本店: コリント式列柱が特徴的な建物で、1998年に登録されました。

施設

山下町には、多くの行政機関や公共施設が集まっています。

行政

鹿児島合同庁舎
鹿児島市役所
鹿児島市消防局
鹿児島市民福祉プラザ
鹿児島市教育総合センター

司法

鹿児島地方裁判所
鹿児島家庭裁判所
鹿児島簡易裁判所

公共

かごしま県民交流センター
鹿児島県文化センター
中央公園

教育

鹿児島市立名山小学校

郵便局

鹿児島東郵便局

その他

南日本銀行本店
岩崎産業
鹿児島国際航空
鹿児島県教育会館

人口

2020年10月1日現在の人口は699人、世帯数は472世帯です。

交通

道路

国道10号
国道58号（国道224号重複）
国道225号（国道226号重複）
鹿児島県道25号鹿児島蒲生線

鉄道

鹿児島市交通局 市役所前電停

山下町に関係のある人物

出身

小松清廉: 薩摩藩家老、政治家。
折田平内: 政治家、内務官僚、貴族院議員。

居住

小松清猷: 薩摩藩士、薩摩国吉利郷領主。
肝付兼善: 薩摩藩士、薩摩国喜入郷領主。


このように、山下町は歴史的な背景を持ちつつ、現代の鹿児島市を支える重要な役割を担っています。

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