山丹州

山丹州の歴史と形成

山丹州（さんたんしゅう）は、かつて中国に存在した州であり、その位置は現在の甘粛省山丹県にあたります。この地域は、モンゴル帝国および大元ウルスの時代に設置され、重要な歴史的背景を持っています。

形成の背景

山丹州の起源は唐代にさかのぼり、その当時は刪丹県として知られていました。しかし、唐代以降、この地域は長い間西夏国の支配下に置かれていました。1227年、チンギス・カンによる西夏国の征服によって、山丹はモンゴル帝国の領土となり、その後さまざまな変遷を経ていきます。

チンギス・カンは征服後、獲得した領土を次男のチャガタイに与え、さらに長男のジョチに沙州を、三男のオゴデイには西涼を分封しました。このように、モンゴルの西道諸王（ジョチ、チャガタイ、オゴデイ）には西部モンゴル高原の広がりがあり、山丹州もその一部として配分されたのです。これにより、各王家は均等に領土を相続しました。

チャガタイと山丹州の発展

チャガタイは、1228年に山丹の管理者としてアンチュルを任命しました。アンチュルは、山丹からチャガタイ・ウルスの本拠地であるイリ渓谷に至る駅伝（ジャムチ）を整備し、この地域の交通網を発展させる重要な役割を果たしました。このインフラの整備により、山丹は商業や通信の中心地として発展していくことになります。

1259年、モンケ大汗の急死に伴い、弟のクビライとアリクブケとの間で帝位継承戦争が勃発しました。この時、チャガタイ系王族の中には、クビライを支持する者が少数いました。その中の一人、アジキは重要な指揮官として任命され、1269年に彼は山丹城を本拠地とし、以前の「刪丹」という表記を「山丹」に改称しました。これにより、山丹州としての歴史が再び形作られていきます。

明朝と山丹衛

その後、明朝の成立に伴い、朱元璋によって山丹州には山丹衛が設置されました。これにより、山丹州の管理体制が一新され、地域の防衛と統治が強化されることとなります。

結論

山丹州の歴史は、西夏国の征服から始まり、モンゴル帝国と大元ウルスの成り立ちにおいて重要な役割を果たしました。また、チャガタイ家の一員としての発展や、明朝成立後の変化を経て、山丹州は中国の歴史の中で重要な位置を占めていました。今後もこの地域の歴史的意義を再評価することが求められます。

もう一度検索