山内惟介

山内惟介

山内惟介（やまうち これすけ）は、1946年8月18日に愛媛県で生まれた日本の法学者です。専門は国際私法と比較法で、長年にわたり中央大学で教鞭を執り、現在は名誉教授の称号を持っています。国際的な学術賞であるフンボルト賞の受賞や、ドイツのミュンスター大学からの名誉法学博士号授与など、その学術的な貢献は国内外で高く評価されています。

経歴

東京都で育ち、東京都立小松川高等学校を卒業後、1971年に中央大学法学部法律学科を修了しました。同大学大学院法学研究科の修士課程に進学し、国際私法の分野で高名な桑田三郎教授に師事。1973年に修士課程を終え、法学修士の学位を取得しました。

大学院修了後の1973年から1977年まで、東京大学法学部の助手（外国法文献センター勤務）として法学研究のキャリアを開始しました。1977年に母校である中央大学法学部に専任講師として着任し、その後、1978年に助教授、1984年には教授へと昇任しました。長年の研究活動が実を結び、2001年には学位論文『国際公序法の研究』により、中央大学から博士（法学）の学位を授与されました。2017年3月に中央大学を定年退職し、同年4月1日付で名誉教授となりました。

国際的な活動と評価

山内教授は国際的な視野を持った研究者であり、ドイツのヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学ミュンスターをはじめ、ヴュルツブルク大学やハイデルベルク大学など、ドイツを中心に複数回にわたり客員教授や在外研究を経験し、国際比較法研究を深めました。また、スイス国立比較法研究所での研究経験もあります。

これらの国際的な交流と研究活動は高く評価されています。2007年3月には、国際的な学術・文化交流への貢献が認められ、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団から第1回学術賞（Thyssen-Humboldt-Preis）を受賞しました。さらに、2012年11月には、長年の功績を称えられ、ドイツのミュンスター大学から名誉法学博士号が授与されました。

学会活動

国内外の主要な法学系学会において要職を歴任しました。国際私法学会では長年にわたり理事を務め、2008年から2014年まで理事長を務めました。その他、国際法学会や日本国際経済法学会でも理事を務め、国際法協会（日本支部）では現在も理事を務めています。

主な研究分野と業績

専門である国際私法と比較法において、国際公序法、国際会社法、比較法文化論など多岐にわたる分野で精力的に研究を行い、数多くの論文や著書を発表しています。代表的な単著には、『海事国際私法の研究』、『国際公序法の研究』、『国際私法』シリーズ、『比較法研究』シリーズ（全3巻）、『国際会社法研究』シリーズ（全2巻）、『地球社会法学への誘い』、『憲法と国際私法』、『気候危機とドイツ国際私法』など多数あります。また、ドイツの著名な法学者であるグロスフェルト教授の著作をはじめとする重要な翻訳も多数手がけ、海外の優れた法学理論を日本の学界に紹介しました。多くの共同研究や編著にも携わり、その研究成果は国際法学の発展に大きく寄与しました。その学術的な功績を記念して、複数の記念論文集が国内外で刊行されています。

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