山内豊産

山内豊産（やまうち とよただ）は、江戸時代中期に活躍した大名であり、土佐新田藩の初代藩主です。彼は土佐中村藩主であった山内豊成の四男として誕生しました。

生い立ちと養子縁組

豊産は、享保10年（1725年）12月6日に、叔父にあたる旗本の山内豊清（麻布山内家）の養子となりました。この養子縁組は、彼の人生における最初の大きな転換点となります。元文5年（1740年）12月には、8代将軍徳川吉宗に拝謁を果たし、幕府内での存在を確立しました。

家督相続と大名への道

宝暦6年（1756年）11月4日、養父である山内豊清が亡くなったため、豊産は家督を相続しました。その後、安永8年（1779年）10月26日、本家である土佐藩から、山内豊敷の五男である豊泰を養子に迎え、大名に格上げするという申し入れがありました。これに豊産は同意し、大名としての地位を確立する道が開かれました。安永9年12月11日には、それまでの3000石に加え、本家土佐藩主の山内豊雍から廩米1万俵を分与され、高知新田藩を立藩し、初代藩主となったのです。

大名としての活動と隠居

天明元年12月18日、豊産は従五位下、遠江守に叙任され、大名としての格式をさらに高めました。しかし、天明3年（1783年）5月21日、家督を養嗣子の豊泰に譲って隠居し、その後の人生を静かに過ごしました。寛政3年（1791年）11月26日、70歳でこの世を去りました。

系譜

父：山内豊成
母：不詳
養父：山内豊清（1677-1756）
正室：池田政晴の娘
長男：山内豊毅（1752-1779）
生母不明の子女：次男 山内豊秀、女子（有馬則満正室）
* 養子：山内豊泰（1765-1803） - 山内豊敷の五男

山内豊産は、旗本の養子から大名へと異例の出世を遂げた人物であり、その生涯は江戸時代における身分制度の流動性を示す一例と言えるでしょう。彼が藩主を務めた土佐新田藩は、その後の歴史において重要な役割を果たすことになります。

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