山北茂利

山北 茂利

山北 茂利（やまきた しげとし）氏は、1978年1月6日に岐阜県多治見市で生まれた日本の元プロ野球選手（投手）です。

経歴

岐阜県立中京商業高等学校（現在の岐阜県立中京高等学校）に進学し、野球部に所属。2年秋には東海大会でベスト8に進出しましたが、コールド負けを喫しました。高校卒業後は社会人野球の強豪、トヨタ自動車に入社。ここでも野球を続け、力を磨きました。1999年には、第70回都市対抗野球大会において、三菱重工名古屋の補強選手に選ばれています。

社会人での実績が評価され、同年のプロ野球ドラフト会議で、中日ドラゴンズから3巡目で指名を受け、入団しました。同期入団には後にチームの主軸投手となる朝倉健太氏がいます。

中日ドラゴンズでは、主にリリーフ投手として起用されました。特に2002年は57試合に登板し、1勝4敗ながらもチームに貢献。この年のオフには、国際大会である第15回IBAFインターコンチネンタルカップの日本代表に選出される栄誉を得ました。翌2003年も引き続きブルペンの一角を担い、前年と同じ57試合に登板。成績も3勝0敗、防御率3.25と向上を見せました。

しかし、2004年は故障の影響もあり、一軍での登板はわずか7試合にとどまります。シーズンオフには、捕手の清水将海氏との交換トレードにより、千葉ロッテマリーンズへ移籍しました。

千葉ロッテマリーンズでは1シーズン半プレーした後、2006年4月27日には、龍太郎選手、南竜介選手との2対1の交換トレードで、左腕不足に悩んでいた横浜ベイスターズ（現在の横浜DeNAベイスターズ）へ移籍することになりました。

横浜ベイスターズでは、主に左のワンポイントリリーフとして重要な場面での登板機会が増えました。移籍後の2006年8月24日には、読売ジャイアンツ戦で自身にとって3年ぶり、そして移籍後初となる勝利をマークしました。横浜時代は登板数こそ増えましたが、敗戦処理での起用もあり、目覚ましい成績を残すには至りませんでした。

2009年シーズン終了後、チームから戦力外通告を受けました。その後、現役続行を目指し12球団合同トライアウトに参加。台湾プロ野球の興農ブルズからオファーがありましたが、これを受けずに現役生活にピリオドを打ちました。

選手としての特徴

山北氏は、191cmという長身を活かした投球スタイルが特徴でした。サイドスロー気味のスリークォーターから角度をつけて投げ下ろすそのフォームは、メジャーリーグで活躍した左腕投手のランディ・ジョンソンになぞらえられ、マスコミや選手名鑑などで「和製ランディ・ジョンソン」と称されることがありました。

ストレートの球速は常時140km/h台前半から中盤を計測し、最速では150km/hを記録。ただ、球速以上にその長身からの角度と独特なリリースによって打者が体感する球威は抜群でした。これに加えて、得意のスライダーやシュートを内外角に投げ分け、打者の左右に揺さぶる投球を持ち味としていました。一方で、プロ野球の厳しい世界においては、制球力に課題を残す場面も見られました。

プロでの主な記録

プロキャリアにおける主な記録は以下の通りです。

初登板: 2000年3月31日、対ヤクルトスワローズ1回戦（ナゴヤドーム）、9回表1死の場面で4番手として救援登板し、試合終了まで投げました。
初奪三振: 上記初登板試合の9回表、打者の古田敦也氏から奪いました。
初勝利: 2002年8月18日、対読売ジャイアンツ23回戦（ナゴヤドーム）、5回表1死から2番手として救援登板し、2回2/3を無失点に抑えて勝利投手となりました。
初ホールド: 2006年9月19日、対中日ドラゴンズ19回戦（横浜スタジアム）、5回表無死の場面で2番手として救援登板し、1イニングを無失点に抑えました。

背番号

所属球団と期間によって背番号は変更されました。

中日ドラゴンズ時代： 59 （2000年 - 2002年）、51 （2003年 - 2004年）
千葉ロッテマリーンズ時代： 15 （2005年）
* 横浜ベイスターズ時代： 51 （2006年途中まで）、27 （2006年途中 - 2009年）

引退後の活動

現役引退後も、山北氏は野球界との関わりを続けています。2010年6月からは神奈川県内のスポーツ用品店で勤務を開始し、野球用品の販売やアドバイスに携わりました。その後は、故郷である岐阜県内のスポーツ用品店でも勤務経験を積んでいます。現在は、大型スポーツ用品チェーンであるヒマラヤにてプロアドバイザーを務め、野球に関する専門知識を活かしています。

さらに、野球の指導者としても活動しています。2018年7月には、翌年4月に創部される株式会社白鳩の女子軟式野球チーム「Shirohato Felix」の監督就任が発表されました。また、中日ドラゴンズが運営する野球教室「ドラゴンズベースボールアカデミー」のコーチも務めており、岡崎市校と岐阜市校で次世代の育成に力を注いでいます。

プロ野球選手としての経験を活かし、多方面から野球の普及・発展に貢献しています。

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