山口村 (兵庫県有馬郡)

山口村（やまぐちむら）

山口村は、かつて兵庫県有馬郡の東南部に位置していた村で、現在の西宮市山口地域にあたります。その歴史は古く、平安時代末期から「山口荘」という荘園名が見られます。

歴史

山口荘の成立と変遷

山口荘は、平安時代末期より摂津国有馬郡の荘園としてその名が現れます。永久2年（1114年）には、源師忠が「山口庄」を領有し、鎌倉時代には廣田神社の荘園となりました。建武2年（1335年）には、後醍醐天皇が摂津四天王寺に山口荘を寄進しています。その後、播磨国守護の赤松則祐の侵略を受けたとされ、応安4年（1371年）にはその所領となっていました。また、天文年間（1532–1555年）から永禄年間（1558–1570年）にかけて、山口五郎左衛門時角という人物がこの地を支配したという伝承がありますが、五郎左衛門の実在を示す証拠はありません。

山口荘の荘域については、名塩（現在の西宮市塩瀬町名塩周辺）や有馬（神戸市北区有馬町）を山口荘とする記録があり、その両地域に及んでいたと考えられています。

江戸時代の村々

江戸時代には、後の山口村の村域に上山口村・下山口村・船坂村・中野村・名来村の5つの村が存在しました。これらの村々は当初、豊臣氏の蔵入地でしたが、慶長7年（1602年）に丹波福知山藩領、元和6年（1620年）に幕府領となりました。このうち、下山口村と名来村は、延享3年（1746年）に田安家領となっています。

山口村の成立と西宮市への編入

明治22年（1889年）の町村制施行により、上山口村・下山口村・船坂村・中野村・名来村が合併し、兵庫県有馬郡の自治体として山口村が成立しました。従来の村名は、山口村を構成する5つの大字（上山口・下山口・船坂・中野・名来）として継承されました。

昭和26年（1951年）4月1日、山口村は塩瀬村とともに西宮市に編入され、山口村の大字は山口町を冠称して西宮市の大字となりました。

地名の由来

『山口村誌』によれば、地名は南の有馬山（湯山）に向かう山の入口に由来すると推測されています。

行政

大正14年12月31日時点での情報では、議員定数は12名、被選挙者数は455名でした。

歴代村長

松原喜平（明治22年5月23日 - ）
芝虎之介（明治26年5月31日 - ）
梶本房吉（明治38年11月22日 - ）
細木喜作（明治41年11月4日 - ）
萬並芳蔵（大正12年9月7日 - ）
坂田勝蔵（大正13年10月2日 - ）
梶太郎（昭和3年10月3日）
西垣内喜一（ - 昭和26年3月31日）

歴代助役

西脇吉左衛門（明治22年5月23日 - ）
吉田利兵衛（明治26年6月20日 - ）
岡田亀太郎（明治30年6月30日 - ）
吉田萬次郎（明治32年4月22日 - ）
岡田長三朗（明治40年5月31日 - ）
萬並芳蔵（大正6年3月3日 - ）
山田泰二（大正12年10月22日 - ）

交通

二級国道福知山大阪線（現・国道176号）
指定県道神戸宝塚線（現・兵庫県道16号）

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 28 兵庫県』角川書店、1988年。ISBN 4-04-001280-1。
山口村誌編纂委員会 編『山口村誌』西宮市役所、1973年。全国書誌番号:73004118。

関連項目

畑山（山口村東部の山）
金仙寺湖
兵庫県の廃止市町村一覧
山口村 (曖昧さ回避)

外部リンク

兵庫県有馬郡山口村 (28B0250008) - 歴史的行政区域データセットβ版
にしのみや山口風土記
有馬と地名「山口」 - archive.today（2013年4月27日アーカイブ分）

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