山口浩一郎

山口 浩一郎について

山口浩一郎（やまぐち こういちろう）は、1936年12月28日生まれの著名な日本の法学者であります。彼は民法や労働法を専門としており、その中でも特に労働契約についての研究で高く評価されています。上智大学の名誉教授としての地位を享受し、さらに元厚生労働省中央労働委員会の会長を務めた実績を持ちます。

学歴とキャリア

山口氏は大阪府出身で、1960年に東北大学法学部を卒業後、同大学の助手としてキャリアをスタートさせました。その後、東北学院大学の非常勤講師を経て、1962年には東京大学社会科学研究所の助手に転身し、学界での地位を確立していきます。1966年には横浜国立大学経済学部の助教授となり、民法と労働法を担当しました。

1970年からは上智大学法学部において助教授に就任し、1976年には教授に昇進しました。彼の専門分野は労働法であり、労働契約や労働条件に関する知見を深めていきました。また、1994年にはイタリア・バーリ大学法学部で客員教授として比較労働法を担当し、国際的な視野を持つ教授として活躍しました。2000年からは中央労働委員会の会長に就任し、2002年には上智大学を定年退職し名誉教授としての名誉を授かりました。

その後も放送大学教養学部の教授として労働法を教え、2004年からは上智大学法科大学院で特任教授として働いていましたが、2005年に放送大学を退職し、2009年には特任教授の職を終えました。

エピソード

学問の道のりにおいて、山口氏は東北大学で外尾健一教授に学び、東京大学では有泉亨教授の指導を受けました。彼の研究は常に新しい視点を取り入れ、労働法の発展に寄与してきました。

主な著作

彼の著作の中で、いくつかの重要な作品があります。まず、1975年の『フレックスタイム : 勤務時間の再検討』を花見忠と共著し、労働時間制度の再考を促しました。1977年には『労働法再入門』を下井隆史、保原喜志夫と共著し、労働法の基本的な考え方を整理しました。

1983年には『労働組合法』を初版として出版し、1996年に第2版が発行されました。1988年に渡辺章、菅野和夫と共編した『変容する労働時間制度 : 主要五カ国の比較研究』は国際的な観点から労働時間の制度を比較する貴重な研究です。

また、1998年には『労災保険・安全衛生のすべて』を共編し、労働者の安全を守るためのさまざまな法律問題について触れました。山口氏は、労働法や社会問題についての理解を深め、市民活動と法の関係にも貢献しています。

彼の著作は、今後も労働法の研究や実務において重要なリソースとして活用されることでしょう。

このように、山口浩一郎氏は日本の法学界において多大な影響を与えた先駆者であり、特に労働法の発展に寄与した研究者として広く認知されています。

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