菅野和夫

菅野 和夫（すげの かずお）のプロフィール

菅野和夫（1943年3月31日生まれ）は、日本における労働法の第一人者であり、東京大学の名誉教授です。彼は日本学士院の会員でもあり、労働政策審議会や中央労働委員会の会長を歴任しました。本稿では、彼の経歴や業績、著書について詳しく紹介します。

経歴の概要

菅野和夫は福島県で生まれ、1966年に東京大学法学部を卒業後、司法試験を合格し、法律の道に進みました。彼はまず東京大学法学部の助手、1971年に助教授、1980年には教授に昇格し、1980年代から2000年代初頭にかけて、多くの学問的貢献を行いました。特に、2002年には東京大学大学院法学政治学研究科の法学部長に就任し、その後は大学を定年退職して明治大学に教授として迎えられました。

菅野教授は2004年に東京大学名誉教授の称号を受け、その後は労働政策審議会の会長に選ばれ、2006年からは中央労働委員会の会長として全国の労働問題に取り組みました。また、2008年には日本学士院の会員に選出され、2013年には独立行政法人労働政策研究・研修機構の理事長に就任しました。さらに、同年には瑞宝重光章を受章しています。

主要な著書

菅野和夫の著作は、労働法分野に多大な影響を与えています。以下は、彼が著した主な書籍のリストです。

• - 『争議行為と損害賠償』（東京大学出版会、1978年）
• - 『演習労働法』（小西国友との共著、有斐閣、1983年）
• - 『セミナー労働時間法の焦点』（共著、有斐閣、1985年）
• - 『新労働時間法のすべて』（共著、有斐閣、1988年）
• - 『判例に学ぶ雇用関係の法理』（共著、総合労働研究所、1994年）
• - 『職業生活と法』（共著、岩波書店、1998年）
• - 『新雇用社会の法』（有斐閣、2002年）
• - 『詳説労働契約法』（共著、弘文堂、2008年）
• - 『ケースブック労働法[第5版]』（共著、弘文堂、2009年）
• - 『労働法［第12版］』（弘文堂、2019年11月）

これらの著作は、労働法の理論や実務において非常に有益であり、学者や実務家に広く読まれています。

教え子と学問の影響

菅野和夫の教え子たちの中には、東京大学、名古屋大学、神戸大学、九州大学、明治大学などで教授として活躍している多くの法学者がいます。彼の教育のもとで学んだこれらの教授たちは、彼の知識や理念を引き継ぎ、さらに発展させる役割を果たしています。

記念論文集

2013年には、彼の古稀を祝う形で『労働法学の展望 -- 菅野和夫先生古稀記念論集』が出版されました。この論文集は、彼の業績を讃え、労働法学におけるこれまでの道のりを振り返る内容となっています。

菅野和夫教授は、日本における労働法の発展に大きく寄与し続け、多くの後進たちに影響を与えている偉大な法学者であります。彼の研究と教育は、今後も多くの人々に利用されることでしょう。

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