山口鉄道部

山口鉄道部と小郡運転区：歴史と役割

山口鉄道部は、かつて山口県山口市の山口駅構内に存在した西日本旅客鉄道（JR西日本）の鉄道部です。ここでは、山口鉄道部の概要、組織再編、そして前身である小郡運転区について詳しく解説します。

山口鉄道部

概要

山口鉄道部は、広島支社の管轄下にあり、車両基地（山口鉄道部車両管理室）を有していました。特に「SLやまぐち号」の運転を担当し、蒸気機関車 (SL) の運転士養成も行っていました。SLの運転技術を伝承する重要な役割を担っていたことが伺えます。

組織再編

2009年6月の鉄道部再編に伴い、山口鉄道部は山口地域鉄道部と下関総合車両所新山口支所に再編されました。これにより、運行管理機能は山口地域鉄道部へ、車両管理機能は下関総合車両所新山口支所へとそれぞれ移管されました。

車両管理室

山口鉄道部管下の車両基地は、新山口駅構内に施設がありました。ここはかつて小郡運転区と呼ばれていましたが、1995年10月1日に山口鉄道部の下部組織となりました。現在の正式名称は、下関総合車両所新山口支所となっています。

管轄路線

山口線全線を管轄していました（新山口駅は下関地域鉄道部、益田駅は浜田鉄道部の管轄）。

乗務員乗務範囲

運転士は山口線全線に乗務していました。特筆すべき点として、山口線で運行される貨物列車には、JR貨物の運転士ではなく山口鉄道部の運転士が乗務していました。
車掌は、山口線の新山口 - 宮野間、およびSLやまぐち号の新山口 - 津和野間に乗務していました。

所属車両の略号

所属車両の車体には、広島支社の略号である「広」と、山口の電報略号である「クチ」を組み合わせた「広クチ」が記されていました。

沿革

1990年6月1日：鉄道部制度に伴い、第1次鉄道部として発足。小郡車掌区が統合。
1995年10月1日：小郡運転区が統合され、山口鉄道部車両管理室となる。
2009年6月1日：鉄道部制度見直しに伴い、運行管理部門は下関地域鉄道部の一部エリアと宇部新川鉄道部と統合され、山口地域鉄道部に改組。車両管理室は下関総合車両所の運用検修センター新山口支所となる。

小郡運転区

概要

小郡運転区は、かつて三田尻機関庫・小郡機関庫・小郡機関区として存在していました。山陽本線の管轄として設置され、SL時代には山口線を管轄する山口線管理所が津和野駅構内の小郡機関区津和野支区（旧・三田尻機関庫津和野分庫）に設置されていました。

所属車両の略号

所属車両の車体には、広島支社の略号である「広」と、小郡の電報略号である「コリ」を組み合わせた「広コリ」が記されていました。

所属車両

気動車：キハ58系・キハ28系（ふれあいパルを含む）、キハ30形、キハ45形・キハ23形、キハ40形・キハ47形、キヤ191系
客車：12系、50系（救援用）、60系

沿革

1898年3月17日：山陽鉄道徳山 - 三田尻（現・防府）間の開通と同時に、三田尻駅構内に三田尻機関庫が設置。
1913年：三田尻機関庫小郡分庫発足。
1922年：三田尻機関庫津和野分庫（のちの山口線管理所）発足。
1928年4月1日：三田尻機関庫が小郡駅（現・新山口駅）に移転し小郡機関庫に改称。
1936年9月1日：小郡機関庫を小郡機関区に改称。
1973年9月30日：山口線の定期列車、防府駅・小郡駅構内入換無煙化によりSL廃止。
1974年1月16日：山口線管理所が廃止され、小郡機関区津和野支区が発足。
1979年8月1日：山口線にSL運転が復活し、SLを再配備。
1987年4月1日：国鉄分割民営化によりJR西日本に継承。小郡機関区から小郡運転区になる。
* 1995年10月1日：山口鉄道部と統合して山口鉄道部車両管理室になり、廃止。

山口鉄道部と小郡運転区は、山口県の鉄道輸送において重要な役割を果たしていました。SLやまぐち号の運行や運転士の育成など、鉄道文化の継承にも貢献したこれらの組織の歴史は、鉄道ファンにとって興味深いものでしょう。

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