山口雄也 (闘病記著者)

山口 雄也の生涯と闘病の記録

山口 雄也（やまぐち ゆうや）は1997年10月18日に京都府に生まれ、2021年6月6日に23歳で逝去した日本の闘病記著者です。彼の生涯は、特に彼が癌との闘いを記録したことで多くの人々に知られています。大学1年生の19歳で癌の告知を受けた彼は、その後の4年の間に様々な困難を乗り越え、自身の思いをブログやSNSを通じて発信し続けました。

発病の経緯

山口は3歳からピアノを習い、小学3年生からは陸上競技に打ち込みました。2013年に京都市立堀川高等学校に進学し、その後京都大学工学部に進学しました。しかし、2016年秋に風邪をこじらせた結果、肺炎となり、精密検査を受けたところ、稀少な癌である縦隔胚細胞腫瘍と診断されました。癌の告知から8日後、彼は京都大学医学部附属病院に入院し、闘病記「或る闘病記」を開始しました。

2017年には腫瘍摘出手術を経て大学に復学しますが、無気力感に苛まれ、学業が疎かになってしまいます。2018年には急性リンパ性白血病と診断され、再び入院生活を余儀なくされました。心の葛藤を持ちながらも、彼は多くの応援のメッセージを受け取り、「生きなくては」という気持ちを持ち直しました。

闘病と発信

2019年には『京都新聞』の連載取材で「がんになって良かった」という発言が話題となり、ネットで炎上するという体験もしました。しかし、彼はその言葉に込めた思いを深く考えることで前向きに受け入れることができたようです。同年4月には、白血病の再発告知を受け、選択肢の中で兵庫医科大学病院でのハプロ移植を選びました。

入院中、彼の闘病生活はNHKのドキュメンタリーとして密着取材され、多くの人々に感動を与えました。手術は成功し、一度は退院するものの、その後再入院し、さらに厳しい状況に直面しました。2020年にはブログをまとめた書籍を出版し、癌との闘いを記録することで他者にも希望を与える存在となりました。

余命宣告

2020年12月、再度癌細胞が増え始め、2021年1月には余命宣告を受けました。移植の選択肢を考えた彼は、最終的に移植手術を選び、2021年3月29日に手術を受けました。この頃から彼はブログで献血を呼びかける記事を投稿しますが、その文体が批判を浴び、衝撃を受けた彼は深い思いを抱えました。

死去

2021年5月31日には、歩行訓練の様子をSNSで共有し、希望を持ち続ける姿勢を見せていましたが、6月3日から体調が急速に悪化し、6日に他界しました。彼の死は多くの人々に衝撃を与え、告別式には約400人が参列しました。

人物

山口は阪神タイガースのファンであり、自動車を愛する青年でした。彼の友人や知人は、彼の文章力や人柄を賞賛しており、闘病を通して彼が残したメッセージは、多くの人に勇気と感動を与えています。彼の物語は、病に立ち向かう勇気と共感を呼び起こすものとして、今もなお語り継がれています。

もう一度検索