山川武範

山川 武範: プロ野球の名選手

山川 武範（やまかわ たけのり、1922年8月25日 - 1981年11月9日）は、長崎県に生まれ、プロ野球界で数々の記録を残した内野手です。彼は1946年に東京巨人軍に入団し、その後のキャリアで多くのファンに愛される存在となりました。特に彼の守備力と打撃力は際立っており、チームの重要な選手として活躍しました。

初期のキャリア

山川は、石本秀一監督のもとで名古屋金鯱軍と大洋軍でのプレー後、戦後の1946年に巨人軍に復帰しました。彼はその年に71得点を記録し、特に8月21日の中部日本戦では、1試合で5打席連続四球を選び、さらに試合後半で二塁打を放つなど、1試合7打席7出塁という珍しい記録を達成しました。この活躍から彼は巨人の中心的な選手へと成長していきます。

ポジションの変遷と移籍

1949年、手塚明治が入団すると山川の出場機会は減少しますが、1950年の正遊撃手・白石敏男の移籍後、山川は遊撃手にコンバートされました。不慣れなポジションでの挑戦は苦戦を強いられましたが、彼は重要な試合での好守によりチームに貢献しました。その後、1951年には広島に移籍し、名前も山川喜作から山川武範に改名されました。このチームでも二塁手や三塁手として活躍し続け、特に1952年には球団初のサイクル安打を達成しました。

競技スタイルと特徴

山川は守備面で非常に優れた選手とされており、戦前の名選手水原茂に似たプレースタイルで知られていました。彼は「小型水原」とも称される人気選手で、スムーズなフィールディングと精度の高い送球が強みでした。試合の前に行われるホームラン競争では、ピッチャーとしても活躍し、巨人軍が高い勝率を誇る一因となりましたが、その際には賞金の一部を彼が受け取るなどのエピソードも残っています。

引退とその後

1954年、山川は31歳で現役を引退し、その後プリンス自動車工業で販売課長を務めます。しかし、日産自動車との合併後の彼の動向については詳細が不明です。引退後も多くの人々にその名は記憶されており、彼がプロ野球界に与えた影響は現在でも語り継がれています。

主要記録

• - サイクル安打：1回（1952年6月26日、対国鉄スワローズ戦）
• - 通算1000試合出場：1954年10月22日
• - 1試合最多四球：5個（1946年8月31日）

山川武範は、そのプレースタイルと人柄で多くのファンに支持され、プロ野球史に名を刻む内野手として記憶されています。また、彼の記録や功績は次世代の選手たちにとっても良い模範となっています。

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