山形高等学校 (旧制)

旧制山形高等学校とは

旧制山形高等学校は、山形県南村山郡東沢村（現在の山形市）に位置する官立の高等学校で、1920年に設立されました。この学校は、改正高等学校令に基づき、三年制の官立高等学校としてスタートし、文科および理科の高等科を設置しました。歴史的には、第二次世界大戦後の学制改革を経て、新制山形大学へと統合され、現在の山形大学文理学部（人文学部・理学部）の母体となっています。

同窓会と校章

この学校の同窓会は「ふすま同窓会」と呼ばれ、旧制山形高等学校及び新制山形大学文理学部の卒業生が一緒に活動しています。同窓会名に使われている「ふすま」とは、地元の鳥海山に自生する高山植物「チョウカイフスマ」を指します。

沿革

旧制山形高等学校は多くの出来事を経て発展してきました。以下に主な沿革を示します。

• - 1920年4月17日 - 山形高等学校設置。
• - 1920年8月2日 - 第1回入学式。
• - 1920年9月4日 - 仮校舎で授業を開始。
• - 1921年1月 - 南村山郡東沢村の新校舎に移転。
• - 1922年10月5日 - 第1回学寮記念祭を開催。
• - 1945年5月 - 軍医学校が疎開。
• - 1949年5月 - 新制山形大学設立に伴い、旧制山形高等学校は廃止。

その後、山形大学文理学部が当校の校地を引き継ぎ、現在に至っています。

歴代校長

旧制山形高等学校において、歴代の校長は次の通りです。

• - 初代 - 三輪田輪三（1920年 - 1926年）
• - 第2代 - 葉山万次郎（1926年 - 1930年）
• - 第3代 - 久保良澄（1930年 - 1935年）
• - 第4代 - 石井忠純（1935年 - 1936年）
• - 第5代 - 佐野保太郎（1936年 - 1941年）
• - 第6代 - 西沢富則（1941年 - 1944年）
• - 第7代 - 日野月明喜（1944年 - 1947年）
• - 第8代 - 高橋里美（1947年 - 1948年）
• - 第9代 - 北岡馨（1948年 - 1950年）

校地の変遷

初めは山形県立山形中学校の校舎を仮校舎として使用し、1921年に新しい校舎へ移転しました。学校の所在地は1931年から山形市小白川町とされ、その地は学校の廃止まで保持されました。

戦時中のエピソード

第二次世界大戦中、旧制山形高等学校は疎開先として理化学研究所が使用され、戦時下でも密かに研究が進められていたと伝えられています。

著名な出身者

旧制山形高等学校からは多くの著名人が輩出されています。政界では、元自治大臣の安孫子藤吉や元運輸大臣の伊藤茂などが知られています。また、学界からも多くの名立たる研究者や哲学者が誕生しました。著名な卒業生の中には、小説家の鈴木清や美術評論家の今泉篤男などもいます。

まとめ

旧制山形高等学校は、その豊かな歴史と教育の伝統を持つ貴重な学校です。戦後は新制山形大学として発展を遂げていますが、母校を思う同窓生の絆は今でも強く続いています。

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