山本冬郷

山本冬郷（やまもと とうごう）

人物紹介

山本冬郷は1886年11月4日に神奈川県横浜市に生まれ、1952年3月24日に亡くなった日本の元俳優です。本名は山本鎌藏。彼はハリウッド映画でキャリアをスタートし、その後日本に帰国してからも数々の映画で名脇役として広く知られています。彼の多様な役柄や存在感は、観客から高く評価されました。

来歴

山本は旧制錦城中学校を卒業後、早稲田大学の政治経済科に進学しましたが、1904年に同大学を中退し渡米しました。アメリカでは、様々な職業を経験しつつ、日本から来た在留邦人向けの新派劇団に加入し、各地での舞台公演に参加します。

1920年に映画俳優に転向し、ファースト・ナショナル社のマーシャル・ニーラン監督に見出され、彼の作品に出演することで大きな注目を浴びることになります。特に、『氷原の彼方に』での演技は観客の心に印象を残しました。この後、セシル・B・デミル監督の『人間苦』やフランク・ロイド監督の『東洋の鬼娘』など、ハリウッドの著名な映画にも脇役として出演しました。

1923年に日本に帰国後、彼は1925年に大東キネマを設立し、自らが監督し主演を務めた『幻の帆船』を製作しましたが、商業的には成功しませんでした。その後、松竹蒲田撮影所に移籍し、多くの作品に参加します。特に、1930年に公開された小津安二郎監督の『その夜の妻』や『お嬢さん』では、彼の存在感が光りました。

1931年には鈴木傳明や高田稔らとともに不二映画社を創立しましたが、わずか2年で解散。その後、新興キネマや日活太秦撮影所といった著名な制作会社でキャリアを続けました。1942年以降は大映に所属し、戦後も脇役として多数の作品に出演し続けました。

晩年と影響

戦後には大映東京撮影所に移籍し、1947年には新東宝へと転籍しました。1987年に発行された『日本映画俳優全集 男優編』では、彼は1948年に公開された『エノケンのホームラン王』を最後に引退したとされています。ところが、彼は1949年に『白頭巾現わる』に出演しており、この作品が彼の映画キャリアの最終章となりました。その後の消息が不明となりましたが、1952年に急性肺炎で亡くなったことが報じられています。

まとめ

山本冬郷は日本の映画界において、国際的な舞台経験を持つ貴重な俳優でした。彼の長いキャリアの中で、多くの映画に名脇役として出演し、日本映画の発展に寄与しました。彼の存在は、現在の映画界においても多くの俳優に影響を与えていることでしょう。

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