高田稔

高田稔（たかだ みのる）の生涯と業績

高田稔は1899年12月20日に秋田県で生まれました。彼は大正から昭和にかけて俳優、映画プロデューサーとして知られ、そのキャリアを通して多くの名作に関わることになりました。元々の芸名は高田昇で、後に本名に変わった彼は、無声映画時代からトーキー映画の初期にかけて活躍し、特に著名なスターとしての地位を確立しました。

初期のキャリア

高田は1917年に獨逸学協会学校を卒業し、その後東洋音楽学校に入学しましたが、1918年には同校を中退し、石井漠の一座で浅草オペラの舞台に立つこととなります。1920年に騎兵第八聯隊に従軍した後、1922年に帰還し、博多で現代劇社を創立し再び演劇界に戻りました。

彼は1924年に帝国キネマ芦屋撮影所に入社し、松本英一監督のサイレント映画『大盗伝』で映画デビューを果たしました。その後も様々な映画に端役として出演しながら、徐々に映画俳優としての地位を築いていきます。

映画界での成功

その後、名声を確立するきっかけとなるのが1929年の松竹蒲田撮影所への移籍でした。ここで小津安二郎監督による『大学は出たけれど』に主演し、さらなる成長を遂げます。この作品は高田にとって新たなスタートを切るきっかけとなり、彼は「松竹三羽烏」として知られるようになりました。

1931年には鈴木傳明と共に不二映画社を設立し、多くの作品に出演しました。当時は日本映画界全体が活気を呈し、高田もその一翼を担っていました。特に1934年に公開された映画『月よりの使者』で主演し、入江たか子との共演により一躍スターダムにのし上がります。

プロダクションの設立

彼は1934年9月に高田稔プロダクションを設立し、独自のトーキー映画を制作する試みを行いますが、経営の厳しさもあり、すぐにトラブルに直面します。その後、1937年に東宝に入社し、また新たなスタートを切ります。ここでの代表作『良人の貞操』は大ヒットし、彼の人気は頂点に達しました。

戦後の活動

戦後、高田は主に脇役として様々な作品に出演しました。1950年代から1960年代にかけて多くのテレビドラマにも参加し、人気を集めました。特撮映画への出演も多く、特にウルトラシリーズでは重要な役柄を演じました。

晩年と死去

高田は1971年に映画界を引退しましたが、その後も東宝に専属として在籍していました。1977年12月27日、肝臓癌により78歳で亡くなった彼は、日本映画界に多大な影響を与えた存在として語り継がれています。

主な出演作品

高田のコンスピキュアスな作品には、『大盗伝』『大学は出たけれど』『月よりの使者』『良人の貞操』などがあります。また、テレビドラマにも多く出演し、特にウルトラシリーズにおいては強い印象を残しました。彼のキャリアは多岐に渡り、映画史における重要な人物の一人として記憶されています。

もう一度検索