山本勝巳 (建築家)

山本 勝巳（やまもとかつみ）

生涯と人物
山本勝巳は、1905年12月9日に東京で生まれ、1991年9月23日にその生涯を閉じた日本の建築家です。彼の教育背景には、旧制愛媛県立松山中学校（現：愛媛県立松山東高等学校）の卒業があり、その後は1930年に東京美術学校を卒業しました。初期のキャリアでは岡田建築事務所や大林組に勤務し、1940年には独立して「山本建築事務所」を設立しました。その後、1949年には海老原一郎と共に「信建築設計事務所」を設立しましたが、海老原は間もなく独立しました。

彼の家族関係も興味深く、映画監督の山本薩夫は実の弟です。また、息子たちである山本學、山本圭、山本亘は、それぞれ俳優としても活躍しています。

代表的な作品
山本は数多くの建築作品を手がけており、その中には以下のものが含まれます：

• - 富山市郷土博物館（富山城）（1954年、登録文化財）：地元の文化や歴史を伝える重要な施設です。
• - 美ヶ原高原ホテル（山本小屋）（1962年）：自然と調和したデザインが特徴の宿泊施設。
• - 天山文庫（川内村、1966年）：地域の知識を保存する図書館として機能。
• - 竹風堂（小布施町、1970年）：伝統的な和のテイストを大切にした建築。
• - 会津武家屋敷（会津若松市、1975年）：歴史的価値のある武家屋敷の再現。
• - 菊の湯（松本市浅間温泉、1976年）：温泉文化を反映したデザインの宿泊施設。
• - 木暮山荘（渋川市伊香保町、1977年）：現在は木暮茶寮として利用されている。
• - 日新館（会津若松市、1987年）：地域コミュニティに寄与する施設。

彼の作品は、地域の歴史や文化にしっかりと根ざしたものであり、伝統を重んじつつも現代的な感覚を持ったデザインが特徴です。

著作
山本は自身の建築哲学や手法についても執筆しており、代表的な著作に次の二つがあります：

• - 『関東地方の民家』（共著、1971年）：地域の民家の特徴を考察。
• - 『現代の民家造り』（1979年）：住宅や店舗などの作品集。

資料とアーカイブ
また、金沢工業大学建築アーカイヴス研究所には、彼が寄贈した設計図面が保管されています。これにより、彼の建築思想やデザインプロセスをより深く理解することが可能です。

山本勝巳の作品や思想は、彼が生きた時代を超えて今日でも影響を与え続けており、彼の建築物は日本の文化的財産となっています。

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