山本幸雄

山本幸雄の生涯と業績

山本幸雄（やまもと さちお）は、1911年に現在の三重県桑名市で生まれ、2007年に逝去した日本の政治家、内務・建設官僚であり、衆議院議員を7期務めました。彼の経歴は、日本の戦後政治及び地方行政における重要な役割を果たしてきました。

教育と初期のキャリア

山本は、旧制富田中学を卒業後、松本高等学校文科甲類に入学し、最終的には東京帝国大学法学部政治科で学びました。大学在学中に、高等文官試験行政科に合格し、1936年に卒業した後、内務省に入省します。入省後の彼は、愛媛県で別子銅山の公害調査を行い、富山県では地方行政に関わる都市計画に従事しました。

戦後の活動

1946年、内務省の政務次官であった世耕弘一のもとで経済警察に転職し、隠退蔵物資の摘発に関わる重要な役割を担いました。その後、神奈川県国家地方警察隊長や、防衛庁人事局長などを経て、建設省官房長や建設事務次官としても活躍しました。彼は多岐にわたる分野で成果を上げ、政策の実行に尽力しました。

政治家としてのキャリア

1963年、山本は第30回衆議院議員総選挙に無所属候補として立候補し当選を果たしました。その後、自由民主党公認で7回当選し、多くの著名な政治家たちと同じ舞台で活動しました。彼は河野派、田中派、竹下派と異なる派閥に所属し、1982年には第1次中曽根内閣にて自治大臣兼国家公安委員会委員長として初入閣を果たしました。

政界引退と後の活動

1990年、イオングループ創業者岡田卓也の次男である岡田克也に自民党の地盤を譲り、政治の第一線から退きました。翌年には勲一等瑞宝章を受章し、その後は薩摩義士顕彰奉賛会の会長として地域貢献を続けました。

エピソードと後継者

引退後の1993年、後継者の岡田克也が自民党を離党して新生党を結成する際、山本は「君がそれがいいと思うのなら、その信念を通せ」と励ましました。自身も長年にわたり所属してきた自民党を離れ、新生党に入党することで、岡田の選択を支持しました。このエピソードは、山本の信念と政治的理想が後世に受け継がれる様子を示しています。

最後の幕

彼は2007年に肺炎のため東京都内の病院で死去し、その葬儀は曹洞宗の長谷寺で行われました。また、彼の墓所は桑名市の海蔵寺にあります。

山本幸雄の生涯は、日本の戦後政治史における貴重な一ページとして語り継がれており、彼の姿勢と行動は今なお多くの人々に影響を与えています。

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