山本広

山本広（やまもと ひろし）

山本広は1925年2月15日に兵庫県津名郡都志村（現在の洲本市五色町都志）で生まれました。彼は出口千代吉の三男であり、2歳の時に姉の嫁ぎ先に養子に出され、以後「山本」の姓を名乗ることになりました。

生い立ちと軍歴

彼は兵庫高等小学校を卒業後、一時的に工員として働いていましたが、1942年には海軍に徴兵され、南方方面を転戦しながら海軍一等兵曹にまで昇進しました。1947年に復員し、尼崎市の土建業で働き始めました。

山口組入団

復員後、山本は白石組に入団し、土木工事や港湾の荷役業務に携わり、その実績を評価されていきました。白石組は三代目山口組の田岡一雄に近い組織であり、1956年に山口組本家の若衆として直参に昇格します。この頃から彼の組織内での地位は次第に上昇し、1957年には若頭補佐として重職に就任しました。

自らの組の結成

1959年、山本は自身の組「山広組」を結成し、これに伴い若頭補佐の職を退任しました。1961年には明友会事件に関連して懲役2年の実刑を受けるものの、出所後の1964年には若頭補佐として復帰します。山広組は一時期200人以上の組員を抱え、主に金融業や債権の取立てなどをシノギにしていました。

組長代行と抗争の始まり

1971年、若頭選挙に立候補者として名乗りを上げるも、田岡の意向を受けてその座を山健組の山本健一に譲ります。しかし、その後の組内の人事で彼は筆頭若頭補佐に昇格し、1982年にはついに組長代行に就任しました。1984年、田岡の妻の強い意向で若頭の竹中正久が四代目山口組組長に就任したことに反発し、山広派は山口組を離脱、「一和会」を結成しました。これが山一抗争の始まりでした。

山一抗争

当初、一和会は優勢でしたが、次第に山口組の反撃に遭い、抗争は激化していきました。1985年には竹中らが銃撃される事件が発生し、抗争の犠牲者が続出しました。抗争は長期化し、最終的に山本は引退を決意し、1989年に一和会を解散しました。

最後の晩年

以降は神戸で静かな生活を送りましたが、1993年8月27日に病院で亡くなりました。彼の生涯は暴力団の歴史を物語る重要な一部として、多くの映画や作品に取り上げられることになりました。これに関しては、山本をモデルにした作品も数多く存在し、彼がどれだけ日本のヤクザ社会に影響を与えたかを示しています。

年表

• - 初代山広組組長（1958年 - 1984年）
• - 三代目山口組白石組若衆（1947年 - 1956年）
• - 三代目山口組若衆（1956年 - 1957年・1960年 - 1964年）
• - 三代目山口組若頭補佐（1957年 - 1960年・1964年 - 1982年）
• - 三代目山口組組長代行（1982年 - 1984年）
• - 一和会会長（1984年 - 1989年）

山本広の物語は、組織の栄枯盛衰を如実に反映しており、彼の人生を通して多くの学びを得ることができます。

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