山本正明

山本 正明（やまもと まさあき）は、1944年9月1日に生まれ、2014年5月に惜しまれつつこの世を去った日本の俳優です。本名は出生名と同じで、東京都出身。法政大学を中退しています。身長180cm、体重90kgという堂々たる体躯でした。

俳優としてのキャリアは、劇団ひまわりに在籍したことから始まります。1959年、松竹映画『ハイティーン』でスクリーンデビューを果たし、その第一歩を踏み出しました。1962年には日活と専属契約を結び、主に青春映画の分野で活躍しますが、その後、日活を離れ、フリーランスとして活動の場を広げます。

テレビドラマへの出演は、1964年のNET（現：テレビ朝日）で放送された『特別機動捜査隊』へのゲスト出演が契機となります。この出演をきっかけに、同年放映の同じくNETのテレビドラマ『ゼロ戦黒雲隊』ではレギュラーキャストに抜擢されます。この『ゼロ戦黒雲隊』で組んだプロデューサー、中井義氏からの勧めを受け、芸名を山本 磯六（やまもと いそろく）と改め、一時この名前で活動しました。

山本磯六名義での代表的な出演作としては、1966年にフジテレビ系列で放送された特撮テレビドラマ『忍者部隊月光』が挙げられます。第111話から物語に加わり、忍者部隊の一員である満月役でレギュラー出演を果たしました。この出演は、日頃から親交のあった主演俳優、水木襄氏に「俺も出たい」と直接話したところ、水木氏がプロデューサーに働きかけたことから実現したというエピソードが残っています。

1968年からは再び本名の山本正明に戻し、活動を続けます。1969年には朝日放送制作のテレビドラマ『娘すし屋繁盛記』に出演。そして、続く同じ朝日放送制作の『バリバリ娘奮闘記』では、襖職人役でレギュラー出演。この時期の共演者には和泉雅子氏や八代英太氏らがおり、当時の紹介記事では「気心が知れているので楽しい番組です」と語るなど、共演者との良好な関係がうかがえます。

その後も精力的に活動を続け、俳優山本正明として幅広い役柄を演じました。特に、高森朝雄とちばてつやによる人気漫画を実写化した映画『あしたのジョー』（1970年、日活）では、主人公のライバルであり盟友でもあるマンモス西役を演じ、その存在感を示しました。テレビドラマにおいても、根強い人気を誇ったスポ根ドラマ『柔道一直線』（1969年 - 1971年、TBS）や、円谷プロダクション制作の特撮シリーズ『ウルトラマンA』（1972年 - 1973年、TBS）に今野勉隊員役としてレギュラー出演するなど、子供向け番組やアクションドラマでも活躍しました。このほかにも、『帰ってきたウルトラマン』『一心太助』『どっこい大作』など、数多くのテレビ作品に出演しています。

1978年に芸能界から引退し、その後は絵画関連の仕事に携わっていたとされています。長らく公の場から遠ざかっていましたが、2006年にはファミリー劇場で放送された『ウルトラ情報局』にゲスト出演し、久々にその姿がメディアで紹介されました。

晩年も特撮関連のイベントなどに顔を出すなど精力的に活動しており、『ウルトラマンA』で共演した高峰圭二氏や星光子氏らとも交流があったようです。しかし、2014年5月に逝去。この事実は、翌年1月に共演者であった星光子氏のブログにて、別の共演者である佐野光洋氏からの連絡として公にされました。

俳優としての活動以外では、柔道や歌唱を特技としていました。また、1967年に放送された特撮ドラマ『ウルトラセブン』では、防衛チーム・ウルトラ警備隊のフルハシ隊員役の候補に挙がったものの、スケジュールの都合により出演は叶わなかったというエピソードも残っています。

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