山本正淑

山本正淑（やまもと まさよし）は、1916年（大正5年）6月15日に高知県で生まれ、2009年（平成21年）9月5日に93歳で没した、日本の官僚です。厚生省に入省し、厚生事務次官、日本赤十字社社長などの要職を歴任しました。

旧制高知高等学校を経て、東京帝国大学を卒業後、1940年（昭和15年）に厚生省に入省しました。厚生省では、大臣官房長、年金局長、社会保険庁長官などを歴任し、社会保障制度の確立と発展に貢献しました。

特に、年金制度の改革や社会保険制度の充実に取り組み、国民の生活安定に大きく寄与しました。1967年（昭和42年）から1969年（昭和44年）には、厚生事務次官として厚生行政全般を統括しました。

退官後は、医療金融公庫総裁、財団法人厚生年金事業振興団理事長などを務め、1987年（昭和62年）4月から1996年（平成8年）10月まで、第12代日本赤十字社社長を務めました。日本赤十字社社長としては、国内外の災害救護活動や医療・福祉活動に尽力し、そのリーダーシップを発揮しました。

2009年（平成21年）9月5日、脳出血のため東京都新宿区の病院で死去しました。長年にわたる社会保障への貢献が評価され、1988年（昭和63年）11月には勲一等瑞宝章を受章しました。

著書には、以下のものがあります。

『厚生年金保険法精解』 (船後正道共編, 財務出版, 1966年)
『社会保障教室 国民生活の安定と福祉を求めて』 (小山路男共編, 有斐閣選書, 1975年)
* 『川添英雄君の想い出』 (編集, 川添英雄君を想う会, 1976年)


山本正淑は、その生涯を通じて日本の社会保障制度の発展に貢献し、医療・福祉分野で多大な功績を残しました。官僚としての卓越した能力だけでなく、人道的な活動を通じて、多くの人々に影響を与えた人物として、その名は記憶されるでしょう。

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