山本真鳥

山本真鳥: 文化人類学者のプロフィール

概要

山本 真鳥（やまもと まとり、1950年生まれ）は、日本の文化人類学者であり、法政大学経済学部の教授を務めています。オセアニア地域やその文化に関する深い洞察を持ち、多くの研究や著作を行ってきました。彼女は日本学術会議の会員としても活動し、学術界において重要な役割を果たしています。2014年までの連携会員任期を経て、現在は名誉教授として後進の指導にも力を注いでいます。

経歴

1969年に東京教育大学附属高等学校を卒業後、1974年に東京大学教養学部で文化人類学を専攻し卒業しました。1981年には東京大学大学院社会学研究科の博士課程を満期退学し、その後は日本学術振興会の奨励研究員として助言を受け研究を続けました。1984年には法政大学経済学部の助教授に任命され、1990年には教授に昇格。その後、2021年には名誉教授となりました。

山本氏は、1978年から1980年にかけてイースト・ウエスト・センターに留学し、さらに1990年からの2年間はカリフォルニア大学バークレー校で客員研究員として活動しました。また、2001年からは国立民族学博物館で客員教授を務め、2011年にはハワイ大学の人類学部とも関わりを持ちました。彼女は日本文化人類学会の会長（2008年から2年間）や日本オセアニア学会の会長（2015年から4年間）を歴任し、学界の発展に寄与しています。

研究と業績

山本氏の専門は、主にオセアニア地域の文化人類学に焦点を当てており、特にサモア文化に関する研究が知られています。彼女の著作には、グローバル化と伝統文化の交差点を探るものや、オセアニアの歴史に関する貴重な視点を提供するものがあります。彼女の最近の著書『グローバル化する互酬性　拡大するサモア世界と首長制』（2018年）や『オセアニアの今―－伝統文化とグローバル化』（2023年）は、現代の社会問題や文化の変容を深く分析しています。

彼女の監修や共著の著作も多岐にわたり、例えば『儀礼としての経済 サモア社会の贈与・権力・セクシュアリティ』（1996年）、『オセアニア史』（2000年）、『性と文化』（2004年）などが挙げられます。これらの作品は、オセアニア文化の理解に新たな視点を提供し、研究者や学生にとっての貴重なリソースとなっています。また、彼女は翻訳者としても活動しており、マーガレット・ミードの『サモアの思春期』（1976年）やマーシャル・サーリンズの『歴史の島々』（1993年）を翻訳し、日本語での対話を促進しています。

まとめ

山本真鳥は、オセアニア文化人類学の研究者としての専門性と豊富な経験を持ち、日本国内外での学術活動を通じて多くの業績を残しています。彼女の研究は、グローバル化の進展を背景に、伝統文化や社会構造に関する深い洞察を提供し続けており、今後の活動にも大いに期待が寄せられています。

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