山本荘毅

山本荘毅

山本荘毅（やまもと そうき、1914年5月1日 - 1999年2月14日）は、日本の地理学者・陸水学者であり、地下水水文学を専門としていました。筑波大学名誉教授、東京成徳短期大学名誉教授。

経歴

出生から修学期

1914年、山本荘毅は千葉県銚子市に生まれました。旧制の千葉県立匝瑳中学校（現在の千葉県立匝瑳高等学校）、千葉県師範学校本科第2部を経て、東京高等師範学校文科第四部（地歴）に進学。その後、東京文理科大学地学科で地理学を専攻し、1940年に卒業しました。

満鉄勤務時代

大学卒業後、南満州鉄道（満鉄）に入社し、地下水資源の開発に従事しました。この時期に、広大な満州の地における地下水の実態調査や開発に携わった経験が、その後の研究活動の基礎となりました。

戦後

第二次世界大戦終結後、農林省に技官として勤務し、アメリカ地質調査所へ留学。帰国後は地盤沈下調査事務所長も務め、日本の地盤沈下問題の解決に尽力しました。1952年には、東京大学に学位論文『満洲の地下水の水理地質学的研究』を提出し、理学博士の学位を取得しました。

1963年7月、農地局総務課監査官を辞任し、東京教育大学理学部教授に転身。地学科地理学専攻にて水収支論講座を担当しました。東京教育大学の筑波大学への移行に伴い、筑波大学教授となり、1978年に定年退官し、名誉教授の称号を受けました。退官後は、立正大学教授、1985年には東京成徳短期大学教授、同学園常務理事を歴任しました。

学界においては、日本地理学会、日本第四紀学会、日本水文科学会に所属し、各学会で会長を務めました。また、日本学術会議会員（第8・9期）に選出され、数多くの公的な委員も務め、日本の学術研究の発展に貢献しました。1999年、東京都において心筋梗塞により逝去。

委員、役員等

数々の委員や役員を歴任し、学術界や社会への貢献を果たしました。

受賞・栄典

1985年11月、長年の功績が認められ、勲三等旭日中綬章を受章しました。

研究内容・業績

1990年時点でまとめられた「山本荘毅先生 略歴・著作目録」によると、その業績は論文等933編、著書・編著書16冊、分担執筆等30冊に及ぶ。地下水水文学に関する研究を中心に、水資源開発、地盤沈下、環境問題など、幅広い分野で顕著な業績を上げました。

著作

単著

(記述なし)

共編著

『電気探査の土木地質学的研究』志村馨と共編著、古今書院 1959
『地下水：そのうもれた資源をいかすコツ』柴崎達雄と共著、畑地かんがい研究会 1959
改訂版 1966年
『扇状地の水循環：環境システム論序説』榧根勇と共著、古今書院 1971
『国土と人権：国土問題の総合的分析』西山夘三・山崎不二夫と共編著、時事通信社 1974
* 『図説水文学講座'>[水文学]]』高橋裕と共著、[[共立出版] 1987

山本荘毅は、地下水水文学の分野における先駆者として、日本の水文科学の発展に大きく貢献しました。その研究成果は、学術界のみならず、社会においても広く活用されています。

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