山村代官屋敷

山村代官屋敷について

山村代官屋敷は、長野県木曽郡木曽町福島に位置する史跡です。江戸時代、この地は尾張藩の重臣である山村家が代々世襲する木曽代官所でした。

歴史

山村家の祖である山村良勝は、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いで東軍に属し、父である良候が西軍に敗れて犬山城に捕らわれた際、木曽衆を率いて犬山城攻めに加わり、父を救出する武功を挙げました。慶長7年（1602年）に父が亡くなると家督を継ぎ、5700石の領主として徳川家康に仕え、江戸幕府旗本として福島関所の関守も兼ねました。しかし、元和元年（1615年）に木曽全域が尾張藩の所領となると、幕府旗本ではなくなり、尾張藩の直属の木曽代官となりました。

建物と庭園

現在の敷地は、旧山村家の御下屋敷の一部であり、建物と庭園で構成されています。木造平屋建ての建物は、享保8年（1723年）に再建されたもので、広さは373平方メートルです。庭園は、木曽駒ヶ岳と永田山を借景とした池泉回遊式庭園で、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。

公開

1967年（昭和42年）に福島町と新開村が合併して木曽福島町が発足した後、木曽福島町は所有者であった山村鉄男氏から土地と建物を買収し、1971年（昭和46年）9月に史跡として一般公開を開始しました。建物内では、山村家に伝わる文学や美術に関する貴重な資料が収集・展示されています。

利用案内

開館時間: 8時30分～16時30分
休館日: 年末年始、12月～3月の毎週木曜日（祝日の場合は翌日）

関連項目

中津川代官所: 山村家が美濃国恵那郡内の領地を管轄するために置いた代官所

山村代官屋敷は、江戸時代の歴史と文化を今に伝える貴重な史跡であり、木曽の歴史に触れることができる重要な場所です。訪れる際には、当時の生活様式や建築美をじっくりと堪能してみてはいかがでしょうか。また、庭園を散策することで、自然の美しさも感じることができます。

参考資料

木曽福島町教育委員会『木曽福島町史 第三巻 現代編Ⅱ』木曽福島町、1983年

外部リンク

* 山村代官屋敷 (木曽町公式ウェブサイト)

もう一度検索