山田全自動

山田全自動

山田全自動（やまだ ぜんじどう）は、1983年3月4日生まれの日本のイラストレーター、ウェブデザイナーです。本名は山田孝之（やまだ たかゆき）として知られています。

特徴

彼の作品は、丁髷に著物姿という江戸時代の町人を彷彿とさせる人物が、現代にタイムスリップしたかのようなイラストに、シュールなコメントが添えられている点が特徴です。日常の些細な出来事や共感を呼ぶ「あるある」ネタを盛り込んだ俳画は、多くの人々の心を掴んでいます。

経歴

佐賀県鹿島市出身の山田全自動は、佐賀県立鹿島高等学校、近畿大学を卒業後、ウェブ制作会社に勤務しました。2011年には、福岡市にウェブデザイン会社「クラウドナイン」を設立し、他社との差別化を図るため、独学で浮世絵を学びました。

Instagramに投稿した浮世絵が好評を博し、2016年2月からは「あるある」ネタを盛り込んだ笑える俳画の制作を開始。有名人のフォロワーがついたり、メディアに取り上げられるなど、注目を集めるようになりました。

2017年9月には福岡市で個展を開催し、書籍『山田全自動でござる』を出版。多くのメディアで紹介され、その名を広く知らしめました。同年10月1日には、佐賀県嬉野市のテーマパーク「肥前夢街道」に作品を常設展示する「山田全自動館」が開館。2018年3月13日には、彼のデザインによる写真が撮影できるプリクラが設置されるなど、その人気はとどまるところを知りません。

「山田全自動」という名前は、本名の苗字と、福岡出身の俳人、吉岡禅寺洞（よしおか ぜんじどう）に由来しています。

その他の活動

山田全自動としての活動の傍ら、本名の山田孝之、または「Y氏」の名義で、福岡市内や福岡近郊の穴場スポットや路上で見つけた面白いものなどを紹介するブログ『Y氏は暇人』を運営しています。このブログに関する書籍も出版しており、2015年には『福岡路上遺産』、2018年には『福岡穴場観光』を刊行しました。

2018年には、辻仁成の著書『立ち直る力』と『人生の十か条』の挿絵を担当しました。また、ライブドアブログ OF THE YEAR 2020 ベストクリエイター賞を受賞しています。

近年では、TWO VIRGINSのnoteで、ノスタルジア大図鑑「昭和30年代 観光絵葉書 探訪記」を連載。2023年からは、『コミック乱』にて「あるあるで候」の連載を開始し、2024年には福岡県博多区に古書店『ふるほん住吉』をオープンするなど、活動の幅を広げています。

主な作品

書籍

山田全自動でござる（ぴあ、2017年）
またもや山田全自動でござる（ぴあ、2018年）
山田全自動の落語でござる（辰巳出版、2021年）
山田全自動の懐かしあるある（辰巳出版、2021年）
山田全自動の日本文学でござる（辰巳出版、2022年）
山田全自動と林家はな平の落語あるある（辰巳出版、2022年）
山田全自動の徒然日記（辰巳出版、2022年）
山田全自動のあるある超ベストでござる（辰巳出版、2023年）
福岡路上遺産（海鳥社、2016年） - Y氏・山田孝之名義
福岡穴場観光（書肆侃侃房、2018年） - Y氏・山田孝之名義
日本懐かし観光大全（辰巳出版、2023年） - Y氏・山田孝之名義

電子書籍

山田全自動の福岡暮らし（既刊2巻、2023年 - ）

連載

団地姫日記（URくらしのカレッジ、2021年 - 2023年）
あるあるで候（リイド社『コミック乱』、2023年 - ）

ミュージックビデオ

さよならポニーテール 「空飛ぶ子熊、巡礼ス」（2019年）
空野青空「Gorilla」（2019年）
* LACCO TOWER「泥棒猫」（2019年）


山田全自動は、その独特な世界観とユーモアで、これからも多くの人々を魅了し続けるでしょう。

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