山県治郎

山県治郎 - 日本の内務官僚

生い立ちと教育

山県治郎（やまがた じろう、1881年1月6日 - 1936年1月9日）は、日本の内務官僚であり、数多くの県知事を歴任した。山口県に生まれ、庄屋である父・山県政吉の下で育った。彼は山口高等学校を卒業後、1907年に東京帝国大学法科大学を修了し、高等文官試験に合格。これにより内務省に入省することとなる。

職業経歴

内務省に入ってから、山県は警保局に所属し、石川県事務官や警察部長としてキャリアを開始した。その後、神奈川県や福岡県、兵庫県などで警察部長を務め、1915年には内務監察官に就任。更に、内務省の参事官、大臣官房会計課長や地理課長などを歴任し、地域の行政運営に深く関与した。特に重要な役割を果たしたのは、1922年に都市計画局長に任命されたことで、ここから日本の都市開発に対する意識が高まる基盤を築いた。

1922年10月、山県は最初の県知事として石川県に就任。その後、広島県知事や兵庫県知事といった要職を歴任。休職を挟むも、1929年には神奈川県知事として復帰し、地域の復興に励む。特筆すべきは、1930年の北伊豆地震の被災地に対する復興活動であり、公共事業の推進を通じて住民の生活再建を図った点である。神奈川県道片瀬大磯線の建設、県営水道事業の推進など、地域社会に対する貢献は計り知れない。

1931年12月18日、犬養内閣の成立に伴い知事を休職し、この後の1932年1月29日には依願によって免本官となり退官した。引退後の彼は、県の発展に寄与した功績により人々の記憶に残る存在となる。

最期

山県治郎は1936年1月9日に55歳で逝去した。彼の在職中は、内務官僚としての影響力や、地域の行政運営に対する貢献が高く評価され、地域発展において重要な役割を果たした。彼の業績は今に語り継がれ、日本の政治と行政の歴史に確固たる足跡を残している。

栄典

彼の功績に対しては、1930年12月5日に「帝都復興記念章」が授与されている。

伝記

山県治郎に関する詳細な伝記は、山根真住編纂による『山県治郎伝』（1940年）に記されている。

関連項目

山県の人物については、山口県出身の著名人や彼の家族のつながりも注目されている。弟の吾一は、菊池幽芳の岳父である。

参考文献

• - 上田正昭他『日本人名大辞典』講談社、2001年。
• - 『日本の歴代知事 第1巻』歴代知事編纂会、1980年。
• - 神奈川県県民部県史編集室編『神奈川県史 別編1』人物 : 神奈川県歴史人名事典、神奈川県、1983年。
• - 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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