山鹿温泉

山鹿温泉

山鹿温泉は、熊本県山鹿市にある温泉地で、毎年8月には「山鹿灯籠まつり」が開催されることで知られています。この温泉地は、古くから歴史を刻み、その風情ある街並みが魅力です。

泉質

山鹿温泉の泉質は、アルカリ性単純温泉です。非常に滑らかで、美肌効果があると言われています。このなめらかな湯ざわりが、山鹿温泉の大きな特徴の一つです。

温泉街

温泉街には約20軒の旅館やホテルが立ち並び、熊本県内でも有数の規模を誇ります。明治時代には道後温泉を模して作られたと言われ、歴史ある温泉街として独特の雰囲気を醸し出しています。街中にありながら、露天風呂や工夫を凝らした浴室が、訪れる人々を魅了します。豊富な湯量も特徴で、「あし湯」や共同浴場のほか、かつては温泉プールも設けられていました。また、旧豊前街道沿いには、1910年(明治45年)に建てられた芝居小屋「八千代座」があり、歴史的な景観を今に伝えています。

共同湯

共同湯として親しまれている「さくら湯」は、道後温泉本館を建てた棟梁を招いて建築されたという歴史を持ちます。1973年(昭和48年)の再開発で、プラザファイブビル内に移転しましたが、旧館の破風が保存されました。近代的な内装で一見するとプールのように見えますが、ライオンの口から流れ出る湯は、山鹿温泉特有のなめらかさを保っています。2011年(平成23年)には再開発工事が始まり、2012年(平成24年)に和風建築として復元されました。現在では、主に近隣住民に利用されており、旧施設の入口前には24時間利用可能な飲泉設備もあります。

歴史

起源

山鹿温泉の起源は古く、平安時代の辞書である『倭名類聚抄』にも「山鹿郡」に「温泉（ゆ）」の地名が記載されています。熊本県内でも最も歴史のある温泉地の一つと言われ、その起源にはいくつかの伝説が残されています。一説には、保元の乱で京都から敗走した宇野親治が山狩りをしていた際、渓谷で鹿が群れをなして臥せっているのを見て、この温泉を発見したと伝えられています。また、「山鹿」という名前もこの開湯伝説に由来すると言われています。別の説では、菊池則隆の次男である政隆の子孫であり、山鹿素行の祖先でもある豪族の山鹿太郎重光が、治承3年（1179年）にこの地に民を移住させ、浴槽を設けて入浴の便を図ったと伝えられています。これにより、移り住む人が増え、山鹿の町が形成されたとも言われています。

近世

江戸時代には、宿場町としても栄え、「山鹿千軒たらい無し」と謳われるほど賑わいました。宇野親治が鹿を発見した場所に、城主の湯屋が設けられ、御前湯が置かれるようになりました。

近現代

1923年(大正12年)には鹿本鉄道(後の山鹿[[温泉鉄道]])が開業し、山鹿温泉の最寄駅として山鹿駅がありましたが、水害により1960年(昭和35年)に廃線となりました。2006年(平成18年)11月には、菊池川流域の玉名温泉、菊池温泉、植木温泉の3温泉地とともに「菊池川温泉郷づくり協議会」を発足させ、「菊池川温泉郷」としてのブランド化を目指し、共通商品の開発や広域観光ルートの整備に取り組んでいます。

アクセス

熊本桜町バスターミナルから九州産交バス山鹿温泉行きに乗車し、「山鹿温泉（八千代座入口）」バス停で下車。
車の場合は、九州自動車道植木インターチェンジから約12km、菊水インターチェンジから約9.5km。

関連項目

山鹿市内の温泉
平山温泉
熊入温泉

外部リンク

山鹿温泉観光協会
* 山鹿温泉 山鹿市

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