岡本久美子

岡本久美子のテニスキャリアの歩み

岡本久美子（おかもと くみこ）は、1965年2月19日生まれの元女子プロテニス選手で、日本のテニス界において特に1980年代に多大な影響を与えた選手の一人です。彼女は同年代の井上悦子、岡川恵美子と共に「3人娘」として知られ、注目を集めました。岡本のプレースタイルで特筆すべきは、両手打ちのバックハンドストロークであり、当時の日本人選手には珍しい技術でした。その美貌もあいまって、岡本は多くのファンに支持されていました。

彼女のキャリアの中で、1989年の「サントリー・ジャパン・オープン」での優勝が特に賞賛されており、これはWTAツアーにおけるタイトル獲得を意味しています。また、全日本テニス選手権では女子シングルスにおいて1983年、1987年、1988年の3度準優勝を果たしましたが、1986年の女子ダブルスでは佐藤直子とペアを組んで栄冠を手にしました。最終的に、彼女の自己最高ランキングはシングルスで75位、ダブルスで124位に達しました。

経歴と背景

岡本は大阪府大阪市で生まれ、父親は著名な元プロ野球選手である岡本伊三美です。彼は南海ホークスの内野手であり、後に近鉄バファローズの監督も務めました。岡本は帝塚山学院中学校・高等学校を経て、帝塚山学院短期大学に進学しました。在学中に「帝塚山ローンテニスクラブ」でテニスを学び、根来康夫コーチの指導を受けました。岡本は中学生時代からジュニア選手として海外での試合に出場し始め、特に同年代の選手と共に「中3トリオ」と呼ばれた姿は、当時の若者たちに大きな印象を与えました。

1982年に高校3年生で女子テニス国別対抗戦「フェデレーション・カップ」の日本代表選手に選ばれるなど、その活躍は早くから注目されていました。その後、短大在学中に出場した1983年の全日本テニス選手権で初の女子シングルス決勝に進出。しかし、雉子牟田明子に完敗し、初タイトルには届きませんでした。この大会では当時15歳4カ月の雉子牟田が最年少優勝を果たし、岡本はプロテニス選手としての道を本格的に歩み始めました。

国際舞台での挑戦

1984年から岡本は四大大会への挑戦を開始します。全仏オープンの予選にはじまり、全豪オープンでは1987年に本戦初出場を果たしました。しかし、ウィンブルドンでは本戦3回戦で著名な選手クリス・エバートに敗れるなど、厳しい戦いが続きました。それでも、1988年にはソウル五輪に出場。女子シングルスでは1回戦で敗れたものの、女子ダブルスで井上悦子とのペアで準々決勝進出を果たし、大きな成果を収めました。

栄光と引退

岡本のキャリアの中で最も輝かしい瞬間の一つが1989年のサントリー・ジャパン・オープン優勝です。予選からの出場で、決勝ではエリザベス・スマイリーをストレート勝ちで下し、これにより世界ランキングも最高75位に上昇しました。その後も国際大会や国内トーナメントで活躍を続けましたが、1992年の大阪大会を最後に現役を引退します。

岡本久美子は、優れたテニス選手としての才能だけでなく、その美しさとカリスマ性で多くのテニスファンに愛された選手です。彼女の足跡は、今も日本のテニス界における重要な歴史の一部として語り継がれています。

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