岡田光雄 (野球)

岡田光雄は、1949年4月2日に島根県大田市で生まれた元プロ野球選手です。現役時代は投手として活躍しました。

島根県の邇摩高校に進学し、野球部ではエースとして才能を発揮しました。高校2年生だった1966年には、チームを春の選抜高等学校野球大会出場に導きましたが、惜しくも1回戦で室蘭工業高校に敗退しました。同年夏には、西中国大会の決勝まで駒を進め、早鞆高校の坂本義雄投手と熱戦を繰り広げましたが、甲子園出場にはあと一歩届きませんでした。翌1967年も夏の甲子園予選で敗れ、結局、高校時代に甲子園の土を踏んだのは1966年春の一度だけでした。

高校卒業後、1967年のNPBドラフト会議で東京オリオンズから2位指名を受けましたが、岡田氏はこれを辞退し、社会人野球の強豪である松下電器へ入社しました。社会人野球でも主力投手として活躍し、1968年には富士鉄広畑の補強選手として都市対抗野球大会に出場しました。この大会では、松下電器のチームメイトであった加藤秀司氏や福本豊氏も同じく富士鉄広畑に補強されており、共にプレーしました。岡田氏は神部年男投手と共に投手陣の二本柱としてチームを牽引し、決勝戦の河合楽器戦では神部投手の後を受けリリーフ登板。チームの優勝に大きく貢献しました。

社会人での実績が評価され、1968年のドラフト会議で近鉄バファローズから3位指名を受け、改めてプロ野球入りを決断しました。

プロ入り後、1年目の1969年からすぐに一軍の戦力として期待されました。開幕からわずか4試合目には早くも先発のマウンドに上がり、その実力を示しました。このシーズンは29試合に登板し、9勝9敗、防御率3.19をマーク。この防御率はリーグ全体の15位に位置するなど、ルーキーとしては十分な成績を残しました。しかし、プロ2年目となる1970年からは、長年にわたり右ひじの痛みに悩まされるようになります。この怪我は岡田氏の投球に影響を与え、本来のパフォーマンスを発揮することが難しくなり、不本意なシーズンが続く要因となりました。一軍での成績は低迷しましたが、ファームでは努力を続け、1973年にはウエスタン・リーグで最多勝を獲得するなど、再起を目指しました。しかし、怪我の影響は大きく、再び一軍で定着するまでには至らず、1978年シーズン終了をもって現役選手としてのキャリアを終えました。

選手としての岡田氏は、右オーバースローから投げ込む本格派の投手でした。投球の軸となるのは力強いストレートに、カーブ、そして決め球として効果的に使われたシュートでした。一方で、投球のコントロールには課題があったとされています。

プロ野球人生における主な記録としては、以下のものが挙げられます。

初登板・初先発登板: 1969年4月17日、対南海ホークス1回戦（大阪球場）。この試合は1回2/3を投げ4失点し、敗戦投手となりました。
初勝利・初先発勝利・初完投勝利: 1969年7月10日、対東映フライヤーズ13回戦（日本生命球場）。9回を投げ1失点で見事な完投勝利を収めました。
* 初完封: 1969年7月13日、対南海ホークス11回戦（日本生命球場）。プロ入り後初めて相手打線を無得点に抑えきりました。

近鉄バファローズでの背番号は、入団から1974年までの期間は「15」を着用しました。その後、1975年から引退する1978年までは「51」に変更してプレーを続けました。

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