岡田宮

岡田宮

福岡県北九州市八幡西区黒崎地区に位置する岡田宮は、古事記にも記述が残る由緒ある神社です。正式名称は岡田神社といい、地元では「おかりさん」の愛称で親しまれています。この神社は、初代天皇である神武天皇が東征の折に一時滞在したという伝説が残る古社であり、天、地、人の三つの宮を擁するのが特徴です。毎年7月には、岡田宮に奉納される黒崎祇園山笠が開催され、北九州の夏の風物詩として多くの人々で賑わいます。

祭神

岡田宮は、以下の祭神を祀っています。

岡田宮: 神日本磐余彦命（かむやまといわれひこのみこと）（神武天皇）
熊手宮: 大国主命（おおくにぬしのみこと）、少名彦神（すくなひこのかみ）、県主熊鰐命（あがたぬしくまわにのみこと）
八所宮: 高皇産霊神（たかみむすびのかみ）、神皇産霊神（かみむすびのかみ）、玉留産霊神（たまたまるむすびのかみ）、生産霊神（いくむすびのかみ）、足産霊神（たるむすびのかみ）、大宮売神（おおみやのめのかみ）、事代主神（ことしろぬしのかみ）、御膳神（みけつかみ）

歴史

岡田宮の起源は、かつてこの地を治めていた熊族が、洞海菊竹ノ浜（貞元）に祖先神を祀ったことに始まると伝えられています。そのため、この地域は「熊手」と呼ばれるようになったと言われています。その後、神武天皇が東征の途中でこの地に1年間滞在し、八所神を祀ったとされ、神武東征における岡田宮の候補地の一つとされています。

仲哀天皇の時代には、恭順した崗県主熊鰐の案内により、神功皇后が岡田宮の八所神を奉祭したと日本書紀に記されています。岡田宮が鎮座する場所は、北部九州の要衝であり、天慶3年の藤原純友の乱の際には、官軍の主将・小野好古と副将・源経基が戦勝を祈願し、神鈴を奉納したと伝えられています。建久5年には、遠賀郡と鞍手郡を領した宇都宮重業が祭礼法度を定め、波多野兼直に祭祀を行わせました。以来、社領18ヶ所、末寺9坊を抱え、大いに栄えました。

しかし、永禄2年には大友氏の兵火により社殿を焼失しますが、同8年に麻生元重によって社殿が再建されました。慶長10年に黒崎城が築城され、黒崎宿が整備されると、貞元から現在地へ遷座し、黒崎熊手の総鎮守として、福岡藩をはじめ、長崎街道を往来する諸大名や文人墨客から篤い崇敬を受けました。慶応元年には、三条実美が太宰府へ落ち延びる際に和歌を奉納しています。

明治5年に村社に列し、同41年には神饌幣帛料供進社に指定されました。現在では、北九州市の副都心である黒崎地区の鎮守神として、多くの参拝者で賑わっています。

祭事・年中行事

岡田宮では、年間を通して様々な祭事や年中行事が行われています。

祇園大祭（黒崎祇園山笠）: 7月21日～23日
放生大祭: 9月24日～25日
秋季大祭（例大祭）: 10月18日～19日

交通

岡田宮へのアクセスは以下の通りです。

鉄道: JR鹿児島本線 黒崎駅から徒歩約10分（820m）
自動車: 北九州高速4号線 黒崎出入口より約3km。参拝者用無料駐車場あり

外部リンク

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