岡田美智子

岡田美智子は、1945年1月11日に福島県いわき市で生まれた日本の女子プロゴルファーです。日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）の創設メンバーである1期生として、長年にわたり日本の女子ゴルフ界の発展に貢献しました。特に、JLPGAツアーにおける最年長優勝記録を樹立し、後にそれを更新したこと、そしてJLPGA管轄大会で初めてエージシュートを達成した人物として、その名前は日本のゴルフ史に刻まれています。

故郷いわき市で中学校を卒業後、洋裁学校へ進みますが、中退して神奈川県の川崎国際カントリー倶楽部でキャディとして働き始めます。この経験がゴルフとの出会いとなり、自らもプレーするようになります。1967年、記念すべき第1回女子プロテストに見事合格し、プロゴルファーとしての道を歩み始めました。デビュー戦の創立記念競技では10位に入ります。

プロ入り後はすぐに実力を発揮。1969年と1970年には、当時の女子ゴルフ界の第一人者であった樋口久子氏に次ぐ賞金ランキング2位（自身最高）となるなど、黎明期の女子ゴルフ界を牽引しました。その後も1973年まで賞金ランキングトップ10入りを続け、安定した強さを見せます。1974年からは、名伯楽として知られる中村寅吉氏に師事し、ゴルフ技術に磨きをかけました。

ツアー初優勝は1975年の十和田湖国際女子オープンでした。この勝利を皮切りに、1976年の大雪山女子オープン、1977年のミヤギテレビ杯女子オープン、1978年のLPGA美津濃ジャパンゴルフクラシックと、立て続けにツアータイトルを獲得します。一時優勝から遠ざかった時期もありましたが、1981年の西海国立公園女子オープンで再び勝利を挙げると、1983年の広島女子オープン、1986年のUCCレディス、1989年の三菱電機ファンタスレディスゴルフでも優勝し、長きにわたり第一線で活躍を続けました。

キャリアにおける特筆すべき記録として、年齢を重ねてからの活躍が挙げられます。1992年の廣済堂アサヒゴルフカップでは、初日に自己ベストとなる65を記録し、最終的に2位に7打差をつける圧勝で優勝。この時の年齢47歳253日は、当時のJLPGAツアー最年長優勝記録となりました。この年は自身最高の年間獲得賞金（約2,771万円）も記録しています。さらに1995年の大王製紙エリエール女子オープンゴルフトーナメントでは、50歳312日での優勝を飾り、自身の持つ最年長記録を塗り替えました。この驚異的な記録は後にギネス世界記録として認定されています。

2003年に58歳でレギュラーツアーを退いた後も、ゴルフとの関わりは続きました。2020年には、日本のゴルフ界への多大な貢献が評価され、日本プロゴルフ殿堂の女子プレーヤー部門に顕彰されました。そして2021年5月、76歳110日で出場したレジェンズツアー最終日、自身の年齢を下回るスコア74をマークし、JLPGA管轄大会における歴史上初のエージシュートを達成しました。これは、長年にわたる岡田氏の情熱と技術の証と言えるでしょう。

私生活では、1976年12月に結婚されています。配偶者もゴルフに関心があり、PGAインストラクター資格を持つ方でした。ゴルフを通じて、大橋巨泉夫妻とオーストラリアで共にラウンドするなど、幅広い交流を持たれています。プロスポーツ界への貢献に対しては、1998年に日本プロスポーツ功労賞を受賞。JLPGAからも、1992年と1995年の敢闘賞が贈られています。岡田美智子氏は、日本の女子プロゴルフの礎を築き、数々の不滅の記録を残した偉大なゴルファーです。

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