岩下保太郎

岩下 保太郎（いわした やすたろう）

岩下保太郎は1887年6月10日に大分県大分市で生まれ、1937年2月18日に亡くなるまでの人生を精力的に海軍軍人として過ごしました。彼の最終的な階級は少将であり、海軍の重要な役割を果たしました。

略歴と軍歴

岩下は大分中学校を経て海軍兵学校第37期に入校し、この学校では全180名中17位で入校し、卒業時には179名中3位という優秀な成績を収めました。彼の妻は山屋他人海軍大将の娘で、家族のつながりも強いものでした。

岩下は、海軍軍令部第1部に在勤中、次期新型艦艇の建造に関して、巡洋戦艦型を主張していましたが、当時の軍の主流であった大艦巨砲主義に受け入れられず、多くの支持を得ることはできませんでした。しかし、実際の太平洋戦争において巡洋戦艦が重巡洋艦や航空母艦と連携して機動作戦を行う可能性があったことを考慮すると、岩下の意見が後の戦局において正しかったことが示唆されます。

彼は1937年に現役の海軍少将として唯一艦隊参謀長兼連合艦隊参謀長を務めていた矢先に病に倒れ、49歳という若さでこの世を去りました。彼が亡くなる際、海軍中将とされることもありましたが、最終階級は明確に少将であることが確認されています。

人物像

岩下は当時の海軍兵学校の同期生である井上成美と深い友人関係を築いていました。井上にとって、彼は最も信頼できる人物の一人であり、岩下の死の際には彼の葬儀委員長を務めるほどでした。このことは、彼の人間性と同時に、海軍内での彼の評判を示しています。

年譜

岩下保太郎の人生は多くの重要な出来事で彩られています。1906年に海軍兵学校に入校し、1909年に卒業。その後、1等巡洋艦「阿蘇」などに乗務し、指揮官、参謀としての役割を果たしつつ、数々の艦艇を経験しました。

1921年には海軍少佐に昇進し、1922年には海軍大学校を卒業。海軍省において重要な役割を担い、最終的には少将にまで昇進しました。1934年から1935年にかけてはロンドン軍縮会議に出席し、国際的な舞台でも活躍を見せました。

栄典

彼は生前に正七位の栄典を受けました。多くの軍人が名前を残す中、彼もその一人といえるでしょう。

参考情報

岩下保太郎に関する資料は、彼の友人である井上成美に関する著作や、海軍兵学校沿革などの歴史書からも得ることができます。彼の功績や影響は国際的な視点からも大いに評価されるものであり、今後も多くの研究が続けられることでしょう。

もう一度検索