岩佐新

岩佐新

岩佐新（いわさ あらた）は、慶応元年1月15日（1865年2月10日）に生まれ、昭和13年（1938年）10月24日に没した、日本の華族であり、医師です。彼は貴族院の男爵議員としても活動しました。

経歴

岩佐新は、明治天皇の侍医を務めた男爵、岩佐純の長男として福井県に生まれました。大学予備門で学んだ後、明治17年（1884年）には大山巌欧州使節団に、郷誠之助、松平康荘らとともに参加し渡欧。ウィーンを経て、1885年冬学期にはミュンヘン大学に学籍を登録しました。明治25年（1892年）には、フライブルク大学より医学博士の称号を得ています。翌年からはミュンヘン大学で内科助手として勤務しました。

ミュンヘン留学時代には、画家の原田直次郎、陸軍軍医の森林太郎（森鷗外）と親交を深め、3人で撮影した写真は『新潮日本文学アルバム　森鴎外』（1985年刊）に収録されています。この写真からも、当時の文化人との交流が窺えます。

明治29年（1896年）に帰国した岩佐新は、父が開いた告成堂病院で診療に従事しました。明治45年（1912年）に父が亡くなると、男爵を襲爵し、告成堂病院の院長を引き継ぎました。

大正7年（1918年）7月10日には貴族院議員に選出され、公正会に所属し、大正13年（1924年）12月25日までその任を務めました。貴族院議員としての活動を通じて、彼は社会福祉や医療の向上に貢献しました。

親族

岩佐新の妻は、ふじ。読売新聞の創業者である本野盛亨の長女です。妻の兄弟には、外務大臣を務めた本野一郎、読売新聞社長の本野英吉郎、大学教授の本野亨、建築家の本野精吾がいます。このことからも、岩佐家が政界、経済界、学術界に широкий значительный родственников 関係を持っていたことがわかります。

婿養子には、男爵であり宮内事務官を務めた岩佐公直（園池公静六男）を迎えています。長女の岩佐富貴子は、岩佐公直の妻であり、御茶の水高等女学校の出身です。

義弟には、岩佐登弥太がいます。彼は旧姓を山脇といい、山脇玄の実弟です。福井に生まれ、長崎医学校、東京大学医学部を経て、3年間欧州に留学した後、侍医となりましたが、肺病により早世しました。

まとめ

岩佐新は、医学博士として告成堂病院を運営する傍ら、貴族院議員として社会に貢献した人物でした。彼の足跡は、日本の近代化を支えた華族の一人として、記憶されるべきでしょう。

参考文献

『立身致富信用公録 第15編』国鏡社、1903年。
人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
衆議院・参議院編『議会制度七十年史 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1960年。
* 霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』上巻、霞会館、1996年。

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