岩倉具実

岩倉具実

岩倉具実（いわくら ともざね、1905年2月1日 - 1978年10月18日）は、日本の著名な言語学者であり、同志社大学の名誉教授を務めました。東京府（現在の東京都）出身。

生涯

岩倉具実は、公爵岩倉具張の次男として、東京市麹町区裏霞ヶ関に生を受けました。母方の祖父は、明治維新の功臣である西郷従道です。1917年に学習院初等科を卒業後、学習院中等科に進学しましたが、母親から陸軍大将になることを期待されたため、2年次に退学し、1918年に陸軍中央幼年学校に入学しました。しかし、1921年に陸軍士官学校に入学後、肺炎カタルのため療養を余儀なくされ、1922年に健康上の理由から陸軍士官学校を退学しました。その後、獨逸学協会学校中等部4年次に編入し、1924年に同校を卒業。静岡高等学校理科乙類に進学しましたが、1925年に持病の脚気により退学。1926年、成城高等学校に入学し、1929年に卒業。東京帝国大学文学部言語学科に進みました。

1932年、東京帝大文学部言語学科を卒業し、東京帝大大学院に進学。1936年には、伯爵藤堂高紹の次女である本子と結婚しました。文学士として東京文理科大学に勤務した後、1940年にフランクフルト大学から日本語講師として招聘され、渡独しました。

第二次世界大戦後の1947年、野上豊一郎の尽力により同志社大学の講師となり、その後、助教授、教授を経て名誉教授となりました。1978年、胃癌のため逝去。

岩倉具実は、プロテスタントのキリスト教信者であり、葬儀は日本基督教団京都大宮教会で執り行われました。

研究活動と業績

岩倉具実は、言語学、特にローマ字論の研究に情熱を注ぎました。その業績の一つとして、同音異義語をわかりやすい言葉に言い換えるための『口語辞典――Hanasikotoba o hiku Zibiki』を編纂しました。この辞典は、日本語の理解を深め、より円滑なコミュニケーションを促進することを目的としています。

人物像

岩倉具実は、学問に対する真摯な姿勢と、温厚な人柄で多くの人々に慕われました。その幅広い知識と深い洞察力は、多くの学生や研究者に影響を与えました。また、キリスト教信仰を持ち、社会貢献にも積極的に取り組みました。

参考文献

* 岩倉具栄とその時代刊行会編『岩倉具栄とその時代』岩倉具栄とその時代刊行会、1980年

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