岩切氏

岩切氏の歴史と起源

岩切氏（いわきりし）は、日本の氏族の一つで、その起源は日向・日下部氏に遡ることができます。日下部氏は古代から続く名門豪族であり、薩摩隼人の血統を引くとされています。この氏族は日向真幸院の郡司を務めており、地域において重要な役割を果たしてきました。

発生と起源

岩切氏の系譜は日下部氏に深く結びついており、彼らの系図には約80の氏族が記載されています。その中に「岩切」姓が含まれているのです。上代から中古の時代にはこの姓が史料に見られなかったため、詳細な歴史は不明ですが、平安時代末期に日下部氏が土持氏との縁を深め、戦国時代の初期に伊東氏の台頭に苦しむ中、日向国の国富荘本郷岩切（現在の宮崎県宮崎市郡司分岩切）へ移住し、そこで「岩切」という姓に改姓したと考えられています。

この改姓の背景には、戦国時代の激動の足音が聞こえており、家族や氏族の運命が大きく変わる時代だったことでしょう。特に島津氏9代忠国の三男、久逸が伊作家を継ぐ際に、多くの庶流が栄え、戦国から安土桃山時代にかけて特に有名な軍師、岩切信朗やその子善信が登場しました。

名字と分布

現在、日本において「岩切」姓を持つ人々は主に宮崎県から鹿児島県にかけて分布しています。特に日向国諸県郡国富荘の地域で支配者として存在した岩切氏が、宮崎県における「岩切」姓の起源とされています。彼らの中には、文明17年（1485年）に行われた伊東氏との合戦で戦死した北郷氏の家臣、岩切信尚なども記録に残っています。

また、島津氏に仕えた一部の家系が鹿児島県にも分布しています。例えば、種子島には岩切信房の子孫が存在し、南種子町の松原山には信房が埋葬されています。これにより、鹿児島県でも「岩切」姓を持つ人々が生まれ、彼らは地域の歴史をさらに彩る存在となっています。

参考文献

岩切氏の歴史については、いくつかの文献からの情報が参考になります。石川恒太郎の『みやざきの姓氏（ひむか新書2）』や、森岡浩の『日本名字家系大辞典』、さらに稲葉行雄の『「さつま」歴史人名集』などがあります。これらの資料を通じて、岩切氏の詳細な歴史やその影響を知ることができるでしょう。

外部リンク

• - 日本の苗字7000傑 姓氏類別大観 日下部氏
• - 史料集50西藩烈士干城録

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