岩手県交通大船渡営業所の概要
岩手県交通大船渡営業所は、
岩手県大船渡市に拠点を置く
岩手県交通の営業所です。この営業所は、地域におけるバス輸送の中心的な役割を担い、高速バスから一般路線バスまで幅広いサービスを提供しています。
東日本大震災による甚大な被害を乗り越え、移転と路線再編を経て、現在の姿に至っています。
所在地
現在の所在地は、
岩手県大船渡市立根町関谷63-14です。以前は、
大船渡市大船渡町堀川36-16に位置していましたが、
東日本大震災の津波被害により現在の場所に移転しました。旧営業所の敷地は、整備工場や待機場として一部が利用されていましたが、
2014年に閉鎖されました。
車両
主にいすゞ自動車製の車両が使用されています。震災による津波で多くの車両が被害を受けたため、2011年以降は
国際興業バスから移籍した車両の割合が高くなっています。また、震災復興支援として東京都交通局から移籍した車両や、
東京空港交通のリムジンバス(いずれも日産ディーゼル製)も在籍しています。
沿革
- - 1949年(昭和24年)4月:岩手県南自動車(後の岩手県南バス)気仙営業所として開設。
- - 1976年(昭和51年)6月1日:合併により岩手県交通大船渡営業所となる。
- - 2004年(平成16年)4月1日:管内の運転業務および車両管理業務が子会社の早池峰バスに委託される(2007年3月31日まで)。
- - 2000年代:高田営業所を統合し、高田バスターミナルを設置。
- - 2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災による津波で営業所が被災し、車両9台が流失・廃車となる。
- - 2011年(平成23年)4月4日:無料での運行を再開。
- - 2011年(平成23年)9月5日:全路線を100円均一とする。
- - 2011年(平成23年)10月17日:全路線の料金体系を震災前に戻す。
- - 2013年:高田支所を設置。
所管路線
高速バス
仙台 - 大船渡線:仙台と大船渡を結ぶ高速バス。
JR大船渡線BRT
JR東日本から受託したBRT路線で、高田支所と共同で運行しています。
一般路線バス
東日本大震災で高田バスターミナルが全壊したため、陸前高田市内の路線も当営業所で管轄しています。高田支所はBRTの運行に特化しており、一般路線バスは担当していません。
盛岡大船渡線
盛岡と大船渡を結ぶ主要路線で、以下の2つの経路があります。
遠野駅経由
盛岡バスセンターから
遠野駅を経由して
大船渡駅前に至るルートです。
荷沢峠経由
盛岡バスセンターから高速道路を経由し、荷沢峠を通って
大船渡駅前に至るルートです。一部区間は、道の駅とうわに停車します。
全便が大船渡営業所担当です。
一部便は、松園営業所に滞泊し、翌朝「盛岡駅松園線」として運行されます。
回数乗車券の設定があります。
地域連携ICカード「Iwate Green Pass」は利用できません。
田代屋敷 - 盛駅前間は、岩手開発鉄道日頃市線の代替バスとしての役割も担っています。
一関大船渡線
一関駅前から
気仙沼駅前を経由し、
大船渡駅前に至る路線です。新月パーキングで休憩を行います。
地域連携ICカードは利用できません。
大船渡住田線
県立大船渡病院から盛駅前、日頃市駅前を経由して住田高校前に至る路線です。急行盛岡大船渡線と一部区間で同じルートを運行しています。川口 - 大股中井間は自由乗降区間です。平日と土日祝日で運行区間が異なります。
立根田谷線
立根から盛駅前、県立大船渡病院を結ぶ路線で、平日のみ運行しています。
丸森立根線
立根から盛駅前、県立大船渡病院を経由し、大船渡温泉を結ぶ路線です。
碁石線
立根から盛駅前、県立大船渡病院を経由し、
碁石海岸を結ぶ路線です。
綾里外口線
立根から盛駅前、県立大船渡病院を経由し、
綾里駅前を結ぶ路線です。
過去の路線
以下は、過去に運行されていた主な路線です。
急行盛岡大船渡線:盛岡と大船渡を結ぶ路線で、夏季には海水浴バスとして運行していた時期もありました。バスカード専用の特急バスも存在しました。
大股線:
大船渡市内と大股地区を結ぶ路線です。
大船渡市内線:
大船渡市内各方面を結ぶ路線です。
碁石線:
大船渡市内と
碁石海岸を結ぶ路線です。
県立病院上山線/県立病院市内線/県立病院佐野線:県立大船渡病院を発着する市内路線です。
崎浜線:県立大船渡病院から崎浜地区を結ぶ路線で、震災により運休となりました。
長崎線:
大船渡市内と長崎地区を結ぶ路線です。
五葉温泉線・甲子線:県立大船渡病院から五葉温泉を結ぶ路線です。
高田線/通岡線:高田バスターミナルと共管で運行していた路線です。
特急大船渡水沢線:大船渡と水沢を結ぶ路線です。
2006年に廃止されました。
釜石大船渡線:釜石と大船渡を結ぶ路線で、三陸鉄道南リアス線の代行輸送ルートにもなっていました。
日頃市線:県立大船渡病院と五葉温泉を結ぶ路線で、2015年に廃止されました。
イオンSuC陸前高田線:陸前高田のショッピングセンターを結ぶ路線です。
細浦経由高田線:陸前高田と大船渡を結ぶ路線で、通岡線と統合されました。
陸前高田住田線: 陸前高田と住田を結ぶ路線で、
2024年4月1日に全区間が廃止されました。
参考文献
鈴木文彦『岩手のバス いまむかし』クラッセ、
2004年。
ISBN 978-4902841008。
外部リンク
*
大船渡営業所管内路線図 - 岩手県交通