岩根忍

岩根忍（いわねしのぶ）

岩根忍（1981年3月16日生まれ）は、日本将棋連盟に所属する女流棋士であり、大阪府大阪市出身です。彼女は小林健二九段の弟子として将棋の世界に足を踏み入れ、女流棋士番号は32となっています（2011年3月31日までは56）。

棋歴の概要

岩根は1994年に女流アマ名人戦で優勝し、その後1995年に奨励会に入会します。奨励会在籍中の2002年には、第60期名人戦七番勝負の記録係を、女性として初めて単独で務めました。その後、彼女は最終的に1級まで昇進しますが、2003年に退会。2004年4月1日に女流1級としてデビューを果たしました。これは、女流育成会出身ではなく、奨励会から直接女流棋士になった初めてのケースでした。

岩根のタイトルへの挑戦は、2009年の第2期マイナビ女子オープンから始まります。この大会で彼女は挑戦者決定戦に進出し、清水市代を破って初挑戦が決定しました。出産前のために対局日が延期されたものの、彼女は6月18日に開幕戦を迎えます。しかし、矢内理絵子に3連敗し、タイトル獲得には至りませんでした。

その後、2009年7月8日には男性棋士との公式戦で初勝利を収め、歴史的な瞬間を刻みます。この勝利は第3回朝日杯将棋オープン戦一次予選、対神吉宏充戦で獲得したものでした。

タイトルに向けた挑戦

2010年には、第18期倉敷藤花戦で挑戦者となり、甲斐智美を破って三番勝負へ進出します。初戦で里見香奈に勝利を収めますが、その後2連敗しタイトル奪取を逃しました。2013年からは一身上の都合で約1年間休場し、活動を一時中断します。

2016年には第27期女流王位戦で再び挑戦者となり、清水市代を破って挑戦者決定戦へ進出。しかし、五番勝負で里見香奈に3連敗し、再度タイトル獲得は叶いませんでした。2018年の第11期マイナビ女子オープンでも挑戦者決定戦に進出するも、西山朋佳に敗れ、タイトル挑戦の機会を失います。

人物と特技

愛称は「しーちゃん」として知られ、彼女はフィギュアスケートやけん玉などさまざまな特技を持っています。特に、将棋誌での連載企画「岩根忍の将棋って楽しい」では、自らの特技を生かした実演写真が掲載され、多くのファンに親しまれました。

彼女のキャリアの初期には、2004年から2006年にかけてNHK Eテレの将棋講座でのアシスタントも務め、アナウンサーとの出会いがあり、その後2006年に結婚に至ります。また、村田智穂とのコンビで「お気楽日記」を執筆し、全国的に将棋の普及活動を行っています。

更に、日本経済新聞のサイトでコラムも執筆し、多様なメディアで将棋の魅力を伝え続けています。

昇級・昇段履歴

彼女の昇段履歴は、1995年に奨励会に入会し、2004年に女流1級としてプロ入り。その後、2005年に女流初段、2009年に女流二段、2016年には女流三段に昇進しました。

主な成績とタイトル履歴

彼女の主な実績には、女流アマ名人戦における優勝や、数多くの棋戦での挑戦者としての登場が含まれています。しかし、未だに公式タイトル獲得には至っていません。岩根忍は、将棋界において独自の存在感を放ち、将棋の普及に貢献し続ける女流棋士です。

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