島原半島ジオパーク

島原半島ジオパークについて

島原半島ジオパークは、長崎県の島原半島に位置し、活火山である雲仙火山を中心に、島原市、雲仙市、南島原市の3市で構成されています。この地域は、2009年にユネスコが認定する世界ジオパークとして、日本で初めて登録された場所の一つです。ジオパーク内には、雲仙火山の噴火によって形成された独特の地形や地質が数多く存在し、その大地の恵みを利用しながら人々が生活を営んでいます。

雲仙火山の歴史と人々の暮らし

雲仙火山は、過去に何度も噴火を繰り返しており、特に1792年の島原大変肥後迷惑や1990年から1995年にかけての雲仙普賢岳の噴火は、地域に甚大な被害をもたらしました。しかし、島原半島の人々は、これらの災害を乗り越え、復興を遂げてきました。そして、火山がもたらす温泉や豊かな湧水などの恵みを活かし、農業や観光業を発展させてきました。

島原半島ジオパークのテーマは、「活火山と人との共生」です。火山災害の教訓を学び、火山と共に生きる知恵を次世代に伝えることを目指しています。また、ジオパークでは、火山の恵みである温泉や湧水、火山活動によって形成された美しい景観など、自然と共存する人々の営みを学ぶことができます。

島原半島ジオパークの沿革

1934年（昭和9年）3月16日：雲仙が日本初の国立公園に指定
1970年（昭和45年）1月10日：島原半島が県立公園に指定
1990年（平成2年）～1995年（平成7年）：雲仙普賢岳の噴火災害
2008年（平成20年）2月14日：島原半島ジオパーク推進連絡協議会設立
2008年（平成20年）4月1日：協議会事務局が雲仙岳災害記念館内に開設
2008年（平成20年）12月8日：日本ジオパークに認定
2009年（平成21年）8月22日：世界ジオパークネットワークに加盟認定
2012年（平成24年）5月12日～5月15日：第5回ジオパーク国際ユネスコ会議を開催
2013年（平成25年）8月24日：済州島ジオパークと姉妹提携を締結
2013年（平成25年）9月9日：世界ジオパークネットワーク加盟が再認定

ジオサイト

島原半島ジオパークには、以下のような特徴的なジオサイトがあります。

島原市

眉山：1792年の島原大変肥後迷惑を引き起こした山体崩壊の跡
白土湖：火山活動によって形成された湖
九十九島（島原市）：島原湾に浮かぶ小島群
定点：雲仙火山の噴火を監視する観測点
千本木被災遺構：雲仙普賢岳噴火による土石流で被災した集落の跡
島原温泉：島原半島に湧く温泉
島原湧水群：豊富な湧水が湧き出る場所

雲仙市

雲仙温泉：雲仙岳の麓にある温泉地
仁田峠：雲仙岳の展望スポット
普賢岳・平成新山：雲仙岳の活火山と噴火によって形成された新しい山
小浜温泉：豊富な湯量を誇る温泉地
千々石断層：活断層が地表に現れている場所
諏訪池：火口湖である湖
国崎海岸：火山活動によって形成された海岸線
金浜断層：断層が地表に現れている場所

南島原市

龍石海岸：海岸沿いにある奇岩
早崎海岸：美しい砂浜が広がる海岸
布津・深江断層：活断層が地表に現れている場所
両子岩：海に突き出た奇岩
原城：島原の乱の舞台となった城跡
岩戸山 -岩戸山樹叢：植物天然記念物
土石流被災家屋保存公園：雲仙普賢岳噴火による土石流で被災した家屋を保存
旧大野木場小学校被災校舎：土石流で被災した校舎を保存

拠点施設

島原半島ジオパークには、以下の拠点施設があります。

雲仙岳災害記念館（島原市）：雲仙火山の噴火災害に関する展示施設
平成新山ネイチャーセンター（島原市）：平成新山周辺の自然に関する情報を提供する施設
雲仙お山の情報館（雲仙市）：雲仙岳の自然や歴史に関する情報を提供する施設
諏訪池ビジターセンター（雲仙市）：諏訪池周辺の自然に関する情報を提供する施設
田代原トレイルセンター（雲仙市）：トレッキングコースに関する情報を提供する施設
土石流被災家屋保存公園（南島原市）：土石流災害に関する情報を提供する施設
大野木場砂防みらい館（南島原市）：砂防事業に関する展示施設

まとめ

島原半島ジオパークは、雲仙火山の恵みと災害という二面性を持つ地域です。この場所を訪れることで、火山と共存してきた人々の歴史や自然の偉大さを学ぶことができるでしょう。ジオサイトや拠点施設を巡り、島原半島の魅力を存分に感じてみてください。

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