島津久世

島津久世（しまづ ひさよ）は、室町時代に活躍した武将であり、薩摩国（現在の鹿児島県）の有力大名である島津氏の分家、総州家の4代目当主です。

生涯

久世は、総州家3代目当主・島津守久の子として生まれました。応永20年（1413年）、伊集院頼久が反乱を起こした際（伊集院頼久の乱）、島津宗家8代目当主・島津久豊から要請を受け、鎮圧軍に加わります。当初、久世は東市来宮園に進軍し、伊集院軍の後方を襲撃する計画でしたが、突如として久豊の軍を裏切り、伊集院軍に加担しました。この裏切りにより、伊集院軍は勝利を収め、頼久はその功績に報いて、かつて父・守久の代に没収されていた川辺の地を久世に与えました。

しかし、頼久は肥後国（現在の熊本県）の相良氏の支援を受けた久豊に大敗を喫します。応永24年（1417年）、久世は和解のために久豊のもとを訪れましたが、宿舎を包囲され、自害しました。

久世の死後、その子・久林は、久豊の子・島津忠国に攻められ、父・守久と共に肥前国（現在の佐賀県、長崎県）へ逃亡します。永享2年（1430年）に薩摩国へ戻りますが、忠国の襲撃を受け、久林も自害し、総州家は断絶することとなりました。

この事件は、島津氏内部の複雑な対立関係を示すものであり、室町時代の地方武士の動向を知る上で重要な出来事と言えるでしょう。久世の行動は、一族内での権力闘争や、地方豪族間の勢力争いが複雑に絡み合っていたことを物語っています。また、彼の悲劇的な最期は、戦国時代へと続く動乱の時代を象徴しているとも言えるでしょう。

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