島津久寿

島津久寿（しまづ ひさとし）は、江戸時代前期の大名であり、日向国佐土原藩の5代藩主を務めました。その後、江戸幕府の旗本寄合席に列しています。官位は従五位下・式部少輔です。

生涯

久寿は、佐土原藩の2代藩主である島津忠興の次男・島津久富の長男として生まれました。母は薩摩藩の家老、鎌田正統の娘です。先代藩主である島津忠高は、久寿の従兄にあたります。

延宝4年（1676年）、忠高が若くして亡くなったため、その息子である万吉丸（後の島津惟久）がまだ幼少であったことから、久寿が家督を継ぐことになりました。これは、万吉丸が成長するまでの「代つなぎ」（番代）としての措置でした。しかし、このような経緯から久寿は藩主としての統制力を十分に発揮できず、藩内では父・久富と家老の松木氏（忠興の母の実家の子孫）との間で対立が起こりました。さらに、本家である薩摩藩も藩政に介入するようになり、佐土原藩は大混乱に陥りました。

元禄3年（1690年）5月29日、16歳になった惟久に家督を譲り、藩主の座を退きました。同時に、幕府の意向により、久寿は惟久から北那珂郡の4ヶ村（芳士村、山崎村、塩路村、島ノ内村）3000石を分与され、旗本寄合となりました。元大名であったことから、元禄4年（1691年）には大番頭に任命され、後に大坂城番も務めています。

元禄6年（1693年）8月3日、久寿は江戸で亡くなりました。享年30歳。法号は青原院殿篤誉勇信義哲居士。墓所は東京都小金井市前原町の幡随院にあります。

久寿から始まる系統が、島之内島津家として続いています。また、薩摩藩の島津義弘のように、久寿はあくまで番代として扱われ、歴代藩主として数えられないこともあります。

系譜

父母
実父: 島津久富
実母: 鎌田正統の娘
養父: 島津忠高

正室
島津氏

養子
島津惟久 - 島津忠高の長男
* 島津久武 - 島津久富の三男

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