島津久房 (求馬)

島津久房（しまづ ひさふさ）

島津久房は、江戸時代中期の薩摩藩士であり、島津氏の分家である岩崎島津家の初代当主です。1673年に島津光久の十八男として生まれ、幼名は千代徳、通称は主馬、後に求馬と称しました。諱は久房です。彼は、後の藩主である島津継豊の側室・登免の父であり、島津重年の外祖父にあたります。

生涯

久房は、1679年に甥である藩主世子・綱貴によって元服し、1680年には通称を求馬に改めました。1695年には岩崎（現在の鹿児島市）に宅地を与えられ、これが岩崎島津家、通称岩崎家の始まりとなります。1701年には、異母兄の大蔵久明、同母兄の島津久記と共に藩主家から分家しました。この際、久明の家は準二男家、久記の家は準四男家、そして久房の家は準五男家と定められました。

その後、久房は藩内で重要な役職を歴任し、1705年には諸県郡小林郷の地頭に就任しました。さらに、1706年には五番組頭、1708年には二番組頭を務めました。1711年には家格が一所持格に列せられ、また、同家の次男以下は柳氏を称し、通字として「房」の字を使用することが命じられました。1732年にこの世を去りました。

家族

久房の父は島津光久、母は濱田勘左衛門純昌の娘です。同母兄弟には、島津準四男家の祖である島津久記がいます。妻は川上久重の娘で、以下の子女をもうけました。

島津久教：父の家督を相続。
登免（崧松院殿）：島津継豊の側室となり、島津重年の生母となりました。

久房の娘である登免は、島津継豊との間に島津重年をもうけ、薩摩藩の歴史に大きな影響を与えることになります。

岩崎島津家

岩崎島津家は、久房を初代とする島津氏の分家であり、準五男家として位置づけられました。久房が与えられた岩崎の宅地が、この家の名の由来となっています。この家は、薩摩藩の歴史において重要な役割を果たし、多くの藩士を輩出しました。

まとめ

島津久房は、薩摩藩において重要な役割を果たした人物であり、岩崎島津家の祖として後世に名を残しました。彼の生涯は、藩内の役職を歴任する傍ら、娘を通じて薩摩藩の歴史にも関わるものでした。彼の家系は、その後も薩摩藩の歴史の中で重要な役割を果たし続けました。


参考文献
「鹿児島県資料集 旧記雑録拾遺諸氏系図3」
「島津氏正統系図」

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